*

高校生のスカウト活動は最終段階へ、プロ志望届からドラフト会議まで

公開日: : スカウト活動, 高校野球

 夏の高校野球大会が、甲子園で熱戦が繰り広げられています。1回戦と2回戦までの代表49校すべてが登場すると、高校生選手のスカウト活動はひと段落をします。

高校3年生のすべての大会が終了

 高校生の場合、夏の大会を最後に3年生は基本的に(国体出場校はまだ大会があるが)引退をします。そしてプロのスカウトも高校生をチェックしたり評価する作業はこれで終わりとなります。

 地方大会が終わった段階で、全国約4000校のうち49校だけがしか残っておらず、プロのスカウトも地方大会で大体の作業はすでに終えています。甲子園にも12球団の首脳クラスから全国のスカウトが集まりますが、すでに多くの選手は担当スカウトからの報告は終わっており、一部、順位づけの判断が難しい選手を、GMや編成部長クラス、または全国を見ていたスカウトが直接見て、最終的な順位づけを行うだけです。

 そして、高校生についてスカウトは次の段階の活動に進んでいます。

 

進路の確認

 夏の大会で敗れてしまったドラフト候補選手は、進路について監督や家族と相談することになります。大学のセレクションなどは8月に多くが開催されています。プロに行きたいのか、大学や社会人に進むのかを決め、推薦やセレクションで進路を決めてゆきます。

 プロのスカウトがまず確認するのは、担当している候補で獲得の可能性が高い選手の進路についての情報を集める事です。この選手が欲しいと思いながらも、本人や選手周辺の意思により進学や社会人に進む選手も少なくなく、また制約があり本人に直接説得をする機会も得られない事から、ただ見守るしかないようです。

 そして選手が所属する監督などに進路を確認します。スタンドではスカウト同士で選手の進路に関する情報交換も行われています。

 

プロ志望をした場合の流れ

 その後、プロ球団は獲得したい選手の学校に対して、調査書の提出を依頼します。調査書とは内申書のことで、一般的な就職の手続きと同じ内容のようです。

 それと同時にプロ野球を志望する選手は高校にプロ志望する旨を伝え、高校から所属の高校野球連盟に「プロ野球志望届」が提出されます。プロ志望届を提出するとプロ野球の入団テストを受けたり、入団交渉を受けることができるようになります。

 そこで初めて選手とプロのスカウトが直接話をする事になります。

 

プロ志望届例(栃木県高校野球連盟ホームページより取得)

図 プロ志望届の例(栃木県高校野球連盟ホームページより)

 

他球団の動向のチェック

 そしてもう一つが他球団の動向の調査です。埼玉西武でスカウトをしていた日野氏によると、獲得を狙う選手がプロ志望をしそうというときは、所属高校の関係者などに他球団が来ているかなどの動向を探ることもあるとのことです。

 関係者もすべて正直に話すことは無いでしょうが、どこの球団は来ているといった情報は聞くことができるようです。その情報を元に各球団は他球団がどの順位あたりで狙っているのかを推測し、ドラフトの指名順位を決めてゆきます。(これはドラフトが近づいた時に特集します。)

 他球団のスカウトに直接探りをいれる強者のスカウトもいるかもしれませんが。

 (記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

高校野球は練習方法を変えれば、まだまだ上手くなる(2)

ある高校の練習の指導に訪れた日野茂氏は、その練習方法とある出来事を経験して「高校野球は練習方法を工夫

記事を読む

早稲田実・清宮幸太郎選手を、元プロ野球スカウトがチェック

 松井以来の怪物、和製ベーブルースと報道される早稲田実業高校の清宮幸太郎選手、まだ1年生の4月ではあ

記事を読む

守備の良くない投手はどのように評価されるのか

 投手の評価、もちろん打者に対する投球のすばらしさが最も評価される点だが、ドラフト会議で指名された投

記事を読む

高校野球、2014年の夏の甲子園入場者数は歴代5位で斎藤佑樹・田中将大の年を上回る

 2014年夏の高校野球大会は大阪桐蔭が優勝した。今年の夏の甲子園の入場者数は約85万3千人で、これ

記事を読む

【センバツ注目選手】遊撃手編~その3~ 木更津総合・檜村篤史選手を元プロスカウトが評価する

 センバツ出場選手の評価シリーズ、今日は遊撃手編の最後として、木更津総合高校の檜村篤史選手を見てみた

記事を読む

大阪桐蔭の優勝と福岡ソフトバンクジュニア、つながり始めた12球団ジュニアトーナメント

 昨日、夏の高校野球で優勝した大阪桐蔭高校、実は福岡ソフトバンクジュニアとの縁がある。優勝メンバーの

記事を読む

広島経済大・尾仲祐哉投手にみる選手の努力と可能性

広島経済大の尾仲祐哉投手は172cm70kgの右腕投手、現在は最速で150キロを投げるが、大学入学時

記事を読む

センバツで躍動するか、期待の大型遊撃手たち

センバツ高校野球大会の組み合わせ抽選が、今週の金曜日に迫った。左腕投手に注目が集まる中で、大型遊撃手

記事を読む

元プロスカウトに、済美高・安楽智大投手を評価してもらう

 2013年の選抜高校野球大会で準優勝し、その夏の愛媛県大会で最速157キロを記録した済美高校・安楽

記事を読む

高校野球のベスト8と地域の差

 今年の夏の高校野球選手権、北信越地区や東北地区の活躍が目立った。しかしベスト8には実力のある東海、

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
no image
桐生第一・蓼原慎仁投手が甲子園のマウンドに

ゼロベースボールアカデミーで、小学校3年から6年間、野球の練

浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

→もっと見る

PAGE TOP ↑