都市対抗は今日決勝戦!ベテランの西濃運輸か、若手の富士重工か
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社会人野球
都市対抗野球大会は、本日決勝戦が行われます。都市対抗野球についてのあれこれをまとめました。
まず本日の決勝の対戦カードは、西濃運輸vs富士重工となりました。まずは両チームの紹介から。
大垣市・西濃運輸の紹介
大垣市代表の西濃運輸硬式野球部は1960年に創部し1962年には都市対抗に初出場をしています。1994年には決勝に勝ち進んだものの惜しくも準優勝で、これまで33回の都市対抗出場を誇りますが優勝はありません。
2012年には高橋朋己投手が埼玉西武のドラフト4位指名、小豆畑眞也捕手が阪神にドラフト4位指名され、2013年も藤澤拓斗内野手が中日のドラフト6位でプロ入りを果たし力をつけているものの、都市対抗に関してはここ5年間で出場は1度と、東海地区を突破することが課題でした。
今年は東海地区2次予選を第一代表で突破すると、その勢いに乗って本戦でも、東芝、三菱重工神戸、東京ガスといった強豪を下し、準決勝では2年連続都市対抗優勝をしていたJX-ENEOSを下して決勝に勝ち上がりました。
ベテランをそろえて
西濃運輸は東海地区で第一代表となったため、敗れたチームから最初に補強選手の獲得ができましたが、そこで球の速い若手投手を補強するのではなく、ベテラン投手をそろえました。
チームの9年目のベテラン・佐伯尚治投手と、トヨタ自動車から補強選手として加わっている佐竹功年投手の1983年生まれのコンビが先発し、佐伯投手が1完投、佐竹投手が2完投で勝ち上がり、また1戦目ではリリーフで三菱自動車岡崎から補強選手として加わっている宇田川雄一郎投手も登板していますが、こちらも大学卒の社会人6年目のベテランです。
経験豊富なベテラン投手の力は、社会人野球では欠かせませんが、各チームのベテランと西濃運輸の若手野手で力を合わせ、初の黒獅子旗(優勝旗)を狙います。
太田市・富士重工の紹介
太田市代表の富士重工硬式野球部は1953年に富士重工業の発足とともに創部されました。長い歴史があるものの、都市対抗の出場は25回、1969年に準優勝しているものの、こちらも優勝はありません。
プロ野球選手はここ5年間は排出していませんでしたが、昨年、東明大貴投手がオリックスにドラフト2位で指名されました。その東明投手を擁して臨んだ昨年秋の日本選手権では決勝では0-1で惜しくも優勝できませんでしたが、準優勝となり実力の高さを見せました。
波乱の北関東から出場
都市対抗大会に出場を目指す北関東ブロックの2次予選は、波乱が起こりました。北関東の3強と言われる富士重工、日立製作所、新日鐵住金鹿島とクラブチームの全足利の4チームで争われた決勝リーグでは、富士重工と新日鐵住金鹿島が全足利に敗れ、全足利が第1代表として本選出場を決めます。日立製作所と新日鐵住金鹿島を下した富士重工が第2代表でなんとか本大会出場を果たしました。
しかしこれが富士重工に味方をします。2つの強豪が敗れた事から、補強選手として優秀な選手を補強することができます。日立製作所から大学卒1年目のルーキー猿川拓朗投手、新日鐵住金鹿島から高校卒6年目の石崎剛投手などを補強して本大会に臨むと、石崎投手が150キロ近いストレートで好リリーフを見せ、準々決勝では猿川投手、石崎投手のリレーで勝利しました。
もちろんチームのエースで大学卒1年目の期待のルーキーの小野和博投手も好投し、決勝まで勝ち上がりました。
ともに補強選手をうまく獲得して、チームの選手と一体となって勝ち上がってきました。佐伯、佐竹、宇田川のベテランが味を見せるか、小野、石崎、猿川の若手投手が力で押すか、都市対抗決勝戦は本日18時から東京ドームで行われます。
今日は天皇皇后両陛下も観戦に来られるということで、天覧試合となります。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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