*

元プロ野球スカウトが語る、スカウトの資質とは?

公開日: : スカウト活動

 西武ライオンズでスカウトをしていた日野茂氏に、スカウトの資質について聞いた。スカウトには何が必要なのか?野球経験は必要なのでしょうか?

スカウトと野球経験

 まず最初に気になる質問をしてみました。プロ野球のスカウトは、多くが元プロ野球選手です。しかし最近では北海道日本ハムのスカウトディレクターである大渕隆氏や原田豊氏など、プロ野球を経験していないスカウトも活躍をしています。

 それでも大渕隆氏は、早稲田大学の野球部で4年生秋にベストナインにも輝いた選手で、その後IBMで選手としてプレーしましたが退社して高校教諭となり、そこで北海道日本ハムのスカウトとして採用されました。

 また原田氏も東海大で原辰徳氏とともにプレーし、協和発酵で野球を続けたあと、柳井高校の監督などを務めていました。巨人の榑松伸介スカウトも前職は報知新聞社でですが、青山学院大などで野球の経験があります。

 メジャーリーグ、ブレーブスのスカウト・大屋博行氏もプロ野球経験はありませんが、アメリカ留学中にメジャーのドラフト候補にも名前が挙がるなどの経験があり、それが縁でブレーブスの日本人担当スカウトとして採用されたようです。

 プロ野球の経験こそないものの、野球の経験は相当なものがあります

 

スカウトの資質

 プロ野球のスカウトに大切な事は?という質問をしてみました。

 日野氏は「過去にどれだけの選手を見て、その選手がどのようになっていったのか、その姿を記憶し自分の中に測りを持っているかが、スカウトにとって大切」を話します。

 野球経験が無くても、

 ・多くの選手を見ていること

 ・その選手がどのように成長したかを見ていること

 ・その姿を記憶していること

 が大切で、またそれによって選手の「将来の姿が見えるかどうか」が最も大切と話してくれました。「多くの選手を見る」ことについては、高校野球の選手、大学野球の選手だけでなく、プロ野球の選手も見ることが大切とも話してくれました。

 

プロ野球スカウトに野球経験は必要か?

 日野氏は前述の3つができれば、スカウトは誰にでも「できないことは無い」と話してくれました。

 ただし考えてみると、「多くの選手を見る」ためには、ある程度専門的な仕事だったり、自分の仕事や生活と両立する場合には、とても大変であることは間違いありません。

 また、「その選手がどのように成長したか」については、高校野球以上の野球の指導者が、選手にどのような指導をしたらどのように成長したかの経験がある程度重要になってきます。「多くの選手を見る事」と「選手の成長を追うこと」は、そういう立場でなければ、両立するのは非常に難しいと言えます。

 ほかにもスカウトには、野球関係者との繋がりもある程度必要になります。選手の情報を入手するには、自分の足で探し回りますが、ある程度情報を得てから見に行くほうが効率的です。また、自分の見ていた選手の獲得に際しては、所属チームの関係者や親族などと接触する事になりますが、やはり知っている人の方が話は早いでしょう。

 スカウトの素質には野球経験は必要ないのかもしれませんが、野球経験があるほうがスカウト活動はしやすいということになりそうです。

 

 プロ野球選手のセカンドキャリアとしても重要なスカウトというポジションでもあり、プロ野球出身者が就くこと事が多くなるでしょう。しかし、最近はYoutubeに選手の映像が頻繁に公開されたり、熱心にスカウティングをしている一般の方もたくさんいます。

 スカウティングはこれからどの方向に進むのでしょうか。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

選抜高校野球で注目された選手はドラフトで指名されやすいか

選抜高校野球大会は、まだ肌寒い季節ですが高校生たちの熱い戦いが行われています。1回戦で32チーム全て

記事を読む

【ドラフト会議特集5】スカウトの1年

 10月23日のドラフト会議まであと2週間と少し、各地で大学のリーグ戦が終盤戦の盛り上がりを見せてい

記事を読む

スマホやAIの進化で、スカウト活動は変わっていくのか?

プロ野球のキャンプの終盤戦に入り、練習試合やオープン戦を中心に回り始めるようになる。キャンプに参加し

記事を読む

2015年ドラフトを元西武スカウト・日野茂氏に聞く

2015年のドラフト会議から1ヶ月が経ち、球団では入団発表が行われている。今年のドラフト会議の指名の

記事を読む

【野手編】2015年のドラフト候補は?元西武スカウト・日野茂氏の評価

 あと1週間に迫ったドラフト会議、元西武ライオンズスカウトの日野茂氏がチェックした、今年のドラフト候

記事を読む

現在のランクと将来のランク、斎藤佑樹と田中将大

選抜高校野球大会が終わり、今度は大学野球の春季リーグ戦が始まりました。社会人も各地の大会が行われ、そ

記事を読む

【ドラフト会議特集4】スカウトの仕事、交渉事

 プロ野球のスカウトは、チームのために必要な戦力をそろえる事。選手を見て評価をすることが最も主な活動

記事を読む

2015年のドラフト候補は?元西武スカウト、日野茂氏の評価

10月22日のドラフト会議まで、あと1週間近くとなった。この1年間、元西武スカウトの日野茂氏とチェッ

記事を読む

プロ志望届例(栃木県高校野球連盟ホームページより取得)

高校生のスカウト活動は最終段階へ、プロ志望届からドラフト会議まで

 夏の高校野球大会が、甲子園で熱戦が繰り広げられています。1回戦と2回戦までの代表49校すべてが登場

記事を読む

明らかになる選手の能力、チームの選手を見る目は一致しているか?

新人合同自主トレがスタートした。そこには選手を預かる1軍2軍の監督やコーチ、担当したスカウト、そして

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
no image
桐生第一・蓼原慎仁投手が甲子園のマウンドに

ゼロベースボールアカデミーで、小学校3年から6年間、野球の練

浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

→もっと見る

PAGE TOP ↑