スカウトの夏!緊張の夏
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スカウト活動
高校野球の各地の大会が本格的に始まっています。高校野球の夏の大会、スカウトにとっては、大きな賭けをする場面があります。
緊張の理由
1.高校野球の夏の大会は49地区で同じ時期に開催されます。
2.地区内でもいくつかの球場で同じ時間に試合が行われ、都道府県内の離れた球場で行われます。
3.トーナメントで敗れた時点でそのチームは出場せず、3年生は引退します。
スカウトはこの時期には既にリストアップした選手は視察を終えており、夏の大会では球団の方針に沿った選手を最終チェックするパターンが多いと聞きます。
しかし、チェックしたい選手が自分の担当地域には何人もいます。そしてその選手が同じ日に出場する少なくありません。同一県内で試合時間が違っていたとしても、球場が遠くて見にゆけない事もあります。
そしてこの大会でそのドラフト候補を見られないと、3年生にはもう大会はなく公式戦でプレーを見る事はありません。
したがってスカウトは試合の勝敗をある程度予想して、視察の計画を立てることになります。
スカウトのジレンマ
例えば昨年のドラフトで巨人が5位指名をした平良拳太郎投手。147キロを投げる投手として注目をされていましたが、沖縄大会2回戦で延長14回の末に敗れ、初戦で敗退してしまいました。
夏に見られなかったスカウトは多かったようで、悔しがるスカウトの声も聴きました。それまでの視察を元に巨人はドラフト5位で指名しましたが、この試合を勝ちあがって、次の試合などでスカウトが見ることができていたら、もっと高い順位で指名されたかもしれません。
スカウトの「勝ち残ってくれよ」という声が聞こえてきます。また同時に、狙っていた選手が活躍すると他球団の評価が上がり、ドラフトで他球団に指名されてしまうかもしれません。そうなると、「あまり目立たないでくれよ」という声が聞こえてきます。
スカウトとは大変な仕事です。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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