【少年野球】投手に最も大切なのは?
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少年野球指導
野球塾のZEROベースボールアカデミーでは、毎週月曜日に投手の練習を行っている。投手の練習は野手よりも地味で難しいものです。
内野手練習よりも指示は少なく
内野手の練習をしていると、1つのプレーに対してコーチ陣の指示が飛びます。そしてそのポイントはフットワークだったり、前の準備だったり、捕球の位置だったり様々なポイントがあります。
しかし投球の練習は、小学生の練習ではコーチがキャッチャーとなり、フォームを正面からチェックをする。ただし、投手もまだフォームが固まっているわけではない(体がまだできていないのだから当たり前)ので、1球1球違ってくる。
そのため1球1球指示が出わけではなく、数球受けてからアドバイスが入る。その後、投手の球はスパン、スパンと2,3球いい球が来る。しかし、徐々にまた1球1球違ってきてしまう。
共通するのは
小学生への指導で特に共通するのは、下半身が仕えていないこと。まだ下半身の筋力が強くなく、軸足の最後の蹴りがなく、腰の回転も使っていない。投げ終わった後に腰が回転した状態で、右投げ投手だったら右足の膝がひねられるようにフィニッシュをしている投手は少ない。
上半身など腕に関しては、さすが「肩のケガをしにくいフォーム」を提唱しているZEROベースボールだけあって、無理なく振られている。ただし下半身については体力的にまだ難しいようだ。
小学生に関していえば、これから体が成長するので本格的にフォームを固める事はできないし、まずは肩を壊さなければ良いのではないかと思う。
繰り返しと気付き
投手の練習はとにかく地味な作業の繰り返しだと思う。体の成長に合わせて下半身もじっくりと時間をかけて鍛え上げ、投球を繰り返してフォームを作っていく。
成長に合わせてアジャストさせ、またさらに球速を上げたり、コントロールをよくするためにフォームを常に改善していく。これは投手を続ける限り、ずっと行われる。
投手の話を聞くと、練習の時にケガをしたため違うことを試したらコツをつかみ、急激に球速が伸びた、試合中にこのようにしたらコントロールが良くなった、と気づくことがある。いろいろと試して、どれが良いか悪いかの取捨選択を行っていくのだろう。
大切なのは
そうなると、投手に最も大切なのは自分の身体を知るということだろう。急激に球速を伸ばしたり、プロ野球でも長年エースとして投げる投手は自分のフォームを知っている。そして違うことをしても良くなければすぐに戻すことができたり、試した良かったものを自分のフォームにすることができる。
ダルビッシュ投手も何種類かのフォームがあり、状態によって使い分けるという。プロ野球のエースもシーズンオフとなってからキャンプインしシーズンに入るまでに自分の投球フォームに持っていける。
逆に自分の身体を理解していないと、あるときに急激のよくなって活躍しても、翌年には活躍できなくなっていたり、投球フォームを教えられて行くうちに自分のフォームを見失ってしまう。
どんなスポーツ選手でも一流の選手は、自分の身体を良く知っていると感じる。そして自分の身体を理解するためには、繰り返し動作をして感覚としてインプットしていくしかない。
良い球が投げられたら、「なぜ良い球が投げられたのか」、続けて良い球が投げられなかったら「どこが変わってしまったのか」。さらにコーチから指導をうけたら、「なぜそのような指導を受けたのか」、常に「?」をもって取り組むのが良いのではと思います。
投手だけに限ったことではなく、バッティングも当てはまります。自分の身体を理解するために、常に考えながら練習をするようにしましょう。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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