*

東京六大学・東都が初戦敗退、地方大学の波

公開日: : 大学野球

 大学野球選手権の2日目、東京六大学代表の慶応大が神奈川大に敗れ、東都大学リーグ代表の亜細亜大が創価大に敗れた。東京六大学の代表が初戦で敗退したのは1998年以来、また東都リーグ代表が初戦敗退したのは1991年以来の出来事だった。

有利な条件

 大学野球選手権に出場するのは、各大学リーグで優勝をしてきたチームとなる。リーグによって優勝を決める方式が違う物の、一般的には週末に2試合行い、1勝1敗ならば3戦目を行って2勝したほうが勝ち点を挙げるというもの。勝ち点の方式が若干違ったとしてもリーグ戦形式の場合はに1週間に1回試合を行う形となり、一人のエース投手がいるチームが優勝することが多い。

 従って大学野球選手権ではリーグ戦で春に5勝6勝したようなエースのいるチームが出場してくる。

 各リーグは組み合わせを行いまず1回戦を戦うが、東京六大学リーグ、東都大学リーグはシードが決まっており、1回戦でエースが登板した大学と対戦するため、疲労した状態のエースと対戦するか、2番手投手との対戦となることが多い。

 昨日も慶応大と対戦した神奈川大はエースの濱口投手が連投のマウンドに登り、亜細亜大と対戦した創価大はエースの田中正義投手ではなく、2番手の小松投手が先発した(田中投手は5回途中からリリーフで登板した)。

 

両リーグの現状

 両リーグは、東京の名門大学が参加し、野球においても選手から人気の高い大学となっている。そのため各チームとも、高校野球で甲子園で活躍したような選手が集まり鎬を削っている。ただリーグの相手と争うだけでなく、まずはチーム内でレギュラーになることが非常に大変で、甲子園で活躍した選手でも4年間リーグ戦でプレーできないような選手もいる。

 この2つのリーグ戦の試合を見ると、レベルが非常に高い事がわかる。東京六大学に関しては東京大がやや実力に差があるものの、その他の大学にはプロでも通用するような投手が投げ、その投手を打つ力のある打線がある。地方大学を見ると6チームともにこれだけの打線が揃えられているリーグは少なく、6チームあれば上位と下位で実力差があるように感じられる。

  それだけ両リーグはレベルの高い野球をしており、そのリーグで勝ち上がった大学は、大学野球選手権でシードされるというものも理解できる。

 

2年連続で優勝を逃す

 大学野球選手権は、地方の学生にとっては必死な舞台だ。地方リーグの場合は観客も少なく、選手権の入場者数はそれほど多くはないもののそれでも注目度は高い。メディアにも名前が取り上げられるし、なにしろプロ野球のスカウトがスタンドに集結し注目をしている。

 一方、東京六大学や東都リーグは、早慶戦では神宮球場を満員にするほどの観客が入り、毎週のようにプロのスカウトがスタンドに姿を見せる。

 それでもやはり中央の意地とトーナメント上の優遇もあり、これまでの歴史でそのほとんどを東京六大学と東都リーグのチームが優勝をしてきた。しかし、昨年は関甲新大学リーグの上武大が優勝し、今年も優勝を逃した。これまで3年連続で両リーグのチームが優勝を逃したことはなく、来年こそ本当に意地をみせなければ、両リーグの優遇も見直さなければならないだろう。

 

地方大学の波

 大学野球界も徐々に変わりつつある。同じ大学を監督として数十年も率いるような時代だったが、元プロ野球選手が監督やコーチとなったり、年齢の若い監督が率いるような時代になってきた。

 特に地方大学では選手を集めるために、いろいろな事をやって努力が見られる。スカウティングから育成、試合の作戦まで大きく変わる可能性がある。

 

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

大ブレーク、創価大・田中正義投手

 侍ジャパン大学代表とプロ野球(NPB)の若手選手が対戦したユニバーシアード壮行試合、創価大の田中正

記事を読む

京都大学の勝ち点への道のり

関西学生野球リーグの京都大学が5月7日の同志社大戦で勝利し、23季ぶりの勝ち点を挙げた。この勝ち点の

記事を読む

早慶戦が他の試合と違う点

今日から東京六大学リーグでは早慶戦(慶早戦)が行われています。なぜ早慶戦が特別なのか、理由を挙げてみ

記事を読む

しっかりとやるべきことを繰り返して、東京大学の野球部の勝利

 東京六大学リーグでは東京大学が、2010年10月2日に早稲田大に勝って以来、約4年半にわたって94

記事を読む

【ドラフト会議特集6】京大生、田中英祐投手はプロで活躍できるか

 今年のドラフト会議で話題となりそうなのが、京都大の田中英祐投手だろう。身長は180cmまでいかない

記事を読む

東都で優勝した専修大学、まだ狼煙を上げただけに過ぎない

 東都大学リーグは専修大が26年ぶりの優勝を飾った。前回優勝時に6勝を挙げてMVPを獲得した岡林洋一

記事を読む

【大学野球選手権特集】富士大・多和田真三郎投手を元プロスカウトが評価する

 いよいよ6月8日(月)より、全日本大学野球選手権大会が始まります。東京六大学からは早稲田大が、東都

記事を読む

大学野球はもっと発展できないか

 大学野球選手権、神宮球場や東京ドームに足を運ぶと、以前に比べると人が増えた気もする。雨の多い季節の

記事を読む

創価大・田中正義投手を元プロスカウトが評価、高校生の時に獲れなかった理由

 大学野球選手権で大きな話題となったのは、創価大学の2年生・田中正義投手だった。球速が出にくいといわ

記事を読む

さよなら、僕の野球!大学野球選手権と野球からの卒業

 5月、大学野球の春季リーグ戦が終わり、大学野球の春のクライマックスである大学野球選手権が行われてい

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
no image
桐生第一・蓼原慎仁投手が甲子園のマウンドに

ゼロベースボールアカデミーで、小学校3年から6年間、野球の練

浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

→もっと見る

PAGE TOP ↑