*

グリエル選手デビューは、ここが凄かった!

公開日: : プロ野球

 キューバの至宝、グリエル選手が横浜DeNAの一員として日本プロ野球界にデビューしました。打っては4打数3安打、守っても1回にサードライン上のゴロを補給して強烈なスローイングで打者をアウトにしました。しかし本当に凄い所は・・・。

 

走塁の姿勢

 初打席は1回に1アウトランナー1塁の場面で回ります。そこでグリエル選手はショートゴロとなりますが、一塁に戦力で駆け抜けてセーフになりました。東北楽天のショートのトスがやや遅く(セカンドがベースに入るのがややゆっくりしていた?)、セカンドが慌てて送球したもののセーフとなったプレーです。

 この場面、日本人で長年主力でやっている選手やほかの外国人選手だったら、セカンドベースに近いショートゴロでは走るのを緩めていたかもしれません。まずはこの走塁をみて、キューバの純粋な野球を感じさせました。

 

送球の姿勢

 守備では前述の1回のプレーも素晴らしかったですが、5回の森山選手のサードゴロの送球にも驚かせました。余裕でアウトを取れる場面では日本でもメジャーリーグでもファーストには全力ではなく、やや緩めの送球を確実に投げるという風にするでしょう。

 しかしグリエル選手は全力で送球し、それが胸元に確実に送球されていました。そして、「キューバでは当たり前」と試合後に言い切りました。

 グリエル選手は全力で投げても確実に胸元に行くという自信があります。そしてそれは普段の練習やキャッチボールでも同じような強さの送球を手を抜かずに行っているということでしょう。

 

守備の姿勢

 最後に守備ですが、守備機会は三塁内野安打になったプレーも含めて4つあったと思います。しかしその4つ以外の27アウト、または投手が相手打者に投げる1球1球に、まるで地面に這いつくばるような低い姿勢を取り、打球に備えていました。

 どんな相手にも手を抜かず、常に全力でプレーをしていました。

 

繰り返すことの難しさ

 打ったら全力で走る、身体を低くして打球に備える、野球で教えることの基礎の基礎です。しかし野球をほぼ毎日行うプロ野球で、すべての機会に対し、繰り返しそして全力で基本姿勢を取ることに感動しました。

 野球塾でもプロの選手はキャッチボールでも、すべての捕球において足を使い、ミットを前に出して捕球の準備の姿勢を取るのを見ます。この基本の繰り返しがプロ野球選手の、そしてキューバの至宝と呼ばれる選手の凄さなのだと思います。

 

周りの選手に伝わる

 グリエル選手のこの姿勢は、必ず周りの選手に伝わるでしょう。メジャーでも大金を稼げると呼ばれる選手が、あれだけの全力プレーをするのです。ほかの選手も自然と一塁まで全力で駆け抜け、一球一球に集中して姿勢を取るようになるでしょう。

 そしてチームは強くなっていくだろうと確信をしました。

 グリエル選手を獲得したことは、ホームランを打ったり、打点を挙げたり、好守備で失点を防ぐだけでなく、周りの選手を変えてチームを強くするという、非常に価値の高い事でした。

 

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

12球団の開幕前の想定と開幕してから ~セリーグ編~

 プロ野球も開幕して2週間が過ぎ、対戦カードも一巡した。各球団とも開幕前に想定した力が出せているチー

記事を読む

野球キャンプイン

プロ野球の秋季キャンプはなぜ地獄なのか

プロ野球は既に秋季キャンプが始まっている。長いシーズンの戦いを終えたプロ野球選手が、「地獄」と称され

記事を読む

プロ野球チームの緻密な経営で、ピラミッドの頂点から落ちる日も

 プロ野球の球団経営は、世の中に流れと同じように透明で、細かく正確に、そして緻密になっている。それが

記事を読む

身体的能力が目立たなかった稲葉篤紀選手が、プロ野球を大きく発展させた

 北海道日本ハムの稲葉篤紀選手が今季限りで引退をする。法政大の時にドラフト会議で3位でヤクルトが指名

記事を読む

野球選手のヒーローインタビュー

 日野茂氏が湘南シーレックス(現横浜DeNAのファームチーム)の2軍監督をしていた時、野球の技術だけ

記事を読む

「山田哲人はセンスの塊」、石毛宏典、日野茂が話す

東京ヤクルトの山田哲人選手は180cm76kgの内野手だ。見た目にはスラッガータイプに見えないし、び

記事を読む

野球の魅力 ~体型に関係なくいろんな才能に活躍を与える球技~

 野球の魅力について1回目では、団体競技でありながら、個人vs個人が注目されるスポーツということを紹

記事を読む

プロ野球と梅雨の季節

 梅雨の時期を迎えている。プロ野球は3月から10月までの長いシーズンを戦うが、最も自分のペースを乱し

記事を読む

出場選手登録・抹消からチーム状況を見る、セントラルリーグ

 プロ野球は3月28日に開幕し3週間が経過しました。4月17日終了時点で、セントラルリーグでは広島が

記事を読む

器用な選手じゃないから続けられた野球人生、石井一久投手、里崎智也選手の引退

 昨日、埼玉西武で昨年まで22年間プレーをした石井一久投手の引退セレモニーが行われた。石井投手は千葉

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑