早慶戦が他の試合と違う点
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大学野球
今日から東京六大学リーグでは早慶戦(慶早戦)が行われています。なぜ早慶戦が特別なのか、理由を挙げてみました。(一部慶應目線になります。)
1.歴史が深い
早慶戦は1903年11月21日に、早稲田大が慶應義塾に挑戦状を送って実現した対抗戦で、100年以上の歴史があります。その中では両大学の応援がエスカレートして絶縁状態になったり、早稲田大の応援席からリンゴの芯が投げ込まれたのを、慶應義塾のサードを守っていた水原茂選手がスタンドに投げ返して試合後に早稲田大応援団が慶應義塾大のベンチや応援団に乱入し、早稲田は1塁側、慶應は3塁側と決められるようになったりと、熱い歴史があります。
しかし戦争が激しくなった1943年には、秋の学徒出陣の前にいわゆる「最後の早慶戦」が行われたり、1960年には「早慶6連戦」が行われたりと、常にライバルとして戦ってきました。
この歴史はほかの大学にはないもので、特別なものと言えそうです。
2.学生数、OBが多い
両大学とも東京にあるマンモス大学です。早稲田大は2013年度で大学の学部で44,295人の学生が、大学院も含めると約5万3千人の学生がいます。慶應義塾も2014年5月現在で学部、大学院合わせて3万4千人が在籍しています。
卒業生も両大学とも毎年1万人前後となり、長い歴史の中で両大学のOBは世の中に非常に多い事になります。
また慶應義塾に関しては三田会という強い結束力があり、両大学ともに高いブランド力があります。
3.観戦人数が多い
今日の試合も入場者数が33,000人と発表されたとのことで、プロ野球と同等かそれ以上の集客力があります。教授によっては早慶戦に行くことを推奨していたりと、大学側も早慶戦は特別なものと位置づけているようです。
また観客も在籍中の学生から、かなり古いOBも方までがそろい、こぶしを握って応援をします。早稲田側は見た事が無いので分かりませんが、慶應義塾のスタンドでは目立つような美男美女がそろい、なによりも若く楽しそうに応援をしています。
4.応援、チアがすごい
とにかく応援団やチアの熱気がすごいです。応援団がとにかく反ったり、チアが高く飛んだりしています。またいろんなの応援旗が登場してなぜか紙テープを投げたりします。
それに、わせだ、わせだの早稲田大の校歌「都の西北」や、りくのおうじゃけいおーの慶應義塾の応援歌「若き血」の特別性とともに、早稲田大の「コンバットマーチ」や慶應義塾の「ダッシュケイオウ」といった、高校野球やそのほかの応援でのおなじみの応援が行われます。
お互いがスタンドを向き合い、「都の西北っていいなー」と思ったり「若き血っていいなー」と思ったりしますが、大学への愛着を感じる場面でもあります。
また、エール交換などで、早稲田大のチアが慶應スタンドに来たりします。エール交換という文化も感動を与えます。
5.選手の熱もすごい
選手は、もちろんどんな試合でも全力でプレーはしているのでしょうが、やはりこれだけの応援が入ると、自然と気合が入っているようです。熱いプレーが見られ、それがまた観客を興奮させて相乗効果で盛り上がっていきます。
現在は明治大や法政大、立教大など、早稲田大や慶應義塾を上回る選手の補強をしていたりしますが、この試合での選手のプレーはやはり特別なものに見えます。
今日はとにかく暑くなっています。男性も女性も熱中症と日焼けには十分気を付けて、熱い試合と応援を楽しんでください!
卒業をしてしまうと、やはりなかなか早慶戦には足を運べなくなります。ぜひ在学中に一度は行ってみてください。入場の時や入場してからも長い時間待つことになりますが、まあそれも楽しめるでしょう!
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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