横浜DeNAの金城龍彦選手、スターへの道
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プロ野球
横浜DeNAの金城龍彦選手がサヨナラ打を放った!これでチームタイ記録となる8度目のサヨナラ安打となった。金城選手といえば2年目の2000年に打率.346を記録し、史上初となる首位打者と新人王のW受賞選手となったことがプロでのスタートとなった。この活躍には出会いがあった。
おっかないけどおもしろいけど選手
金城選手は近大付属高校から社会人チームの住友金属へ進み、150キロを超す直球を投げる投手として活躍していた。横浜ベイスターズには1998年にドラフト5位で指名されて入団すると、投手ではなく野手に転向し、さらに右打ちに取り組みスイッチヒッターとなった。
このような話を聞くと器用そうな選手に見えるが、決してそうではないと当時2軍監督を務めていた日野茂氏は話す。
「足は速そうに見えてそれほど速くない、守備もおっかないけどアウトにはする選手。バントもうまくない」と評価していた。
しかしある時、当時の権藤博監督が日野氏に声をかける。
「誰かいいのはいないか?」
その時、日野2軍監督は「おっかないけどおもしろいのがいる」と金城選手を推薦した。評価していた通りの説明を権藤監督に話すと、「おもしろそうじゃないか」と即座に1軍昇格を決めた。
そして金城選手は2000年に首位打者と新人王を獲得する。
その後は
華々しいデビューを飾った金城だったが、2001年には138試合に出場して打率.271を記録する活躍を見せたが、2002年には打率.170と低迷する。
2001年から西武時代に緻密な野球で黄金時代を築いた森祇晶氏が監督となり、森監督はリードオフマンの金城に対してバントなど細かいプレーを要求した。しかし、器用ではなかった金城はそれに応えられず、次第に使われなくなってしまう。
森監督が交代した2003年に再び3割を記録しレギュラーとなり、通算1500安打を越える選手となった。現在は外野手の控え、代打として活躍をすることが多くなっているが、素人目にも変わったバッティングスタイルと、意外性は金城選手の人気の一つとなっている。
指導者との出会い
日野氏は「金城は俺と権藤監督に感謝しないといけない」と笑って話す。投げては150キロを超し、打っても鋭い打球を放つ金城選手は、天性の力でプレーしてきたのかもしれない。
しかし、近大付属高校、住友金属という名門で、そしてプロでも活躍する選手となったのは、このような指導者との出会いがあったからなのだろうが、金城選手が努力をし、期待に応えようと一生懸命プレーをする姿を見せていたからなのだろう。
プロ野球のスター選手、それにふさわしい選手だ。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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