キューバ出身、巨人・セペダ選手、横浜DeNA・グリエル選手を評価する
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最終更新日:2014/05/27
その他
キューバ球界が国内リーグの選手を、レンタル移籍のような形でキューバリーグのオフシーズンに外国でプレーできるように、規制を緩和した。それにより、巨人が外野手のセペダ選手と、また横浜DeNAが内野手のグリエル選手と契約をした。今日は、このセペダ選手と、まだ来日していないグリエル選手の評価を日野氏にお願いした。
キューバの主砲・セペダ選手
セペダ選手はキューバリーグで14年間で203本塁打を記録、WBCや世界の大会でもホームランを放つ主砲として活躍してきた。しかし身長は178cmと大きくなく(ただし体重は93kg)、しかもスイッチヒッターと器用そうな印象も受ける。
セペダ選手の来日後のホームランやWBCなどの打撃を見て日野氏は、「キューバ選手らしいバッティング。打席の中で後ろの軸で打つスラッガータイプの選手」と評価しました。
それほど身長は大きくないものの、やや小さく構えた打撃から振り出されるスイングはスピードがものすごく、投手や恐怖感を感じるのではないかと思います。
キューバの至宝、グリエル選手
次にまだ来日していないグリエル選手について。グリエル選手は183cm89kgながらスマートに見え、セカンド、サードを右の内野手です。キューバリーグでは13年で235本塁打と、セペダ選手よりもホームランを記録しています。
数少ない映像から、WBCや国内リーグでの打撃を見て評価をしてもらうと、「キューバ選手らしくないバッティングをする。手の長さと前で払うように打つ感じで中距離打者的な印象を受ける」ということです。
ともにキューバの主軸を打つ選手ですが、バッティングのタイプが大きく違うようで、二人がどのような活躍を見せるか非常に楽しみです。
外国人選手と日本人選手の違い
タイプの違う二人ですが、バットのスイングは二人ともものすごいスピードがあります。これは身体的な面で日本人と差がある部分と言われます。
これについて日野氏は「外国人のバッターはボールを恐れない」と言います。身体的なスイングスピードがあるおかげで、投球を打つポイントは日本人選手よりも近くなります。そのため、体に当たりそうな投球が来たときには、けがの少ない背中側を向けて死球を受けています。
対して日本人はスイングスピードが劣るため、打つポイントは投手に近い場所となります。そのためスイングの始動が早くなり、スイングをしに行ってから死球を受けてしまうため、手首や指などに死球を受けてしまいます。
このようにスイングスピードの違いが、死球を受けてもけがをしにくくなることにつながり、そのため外国人選手は早い球やインコースの球を恐れずなる、ここが日本人と違うところのようです。
日野氏は「バットの重さや長さは、日本もメジャーも対して変わらない。違うのはバットを振る人のほう」で、当然、スイングスピードやパワーがある選手のほうが、バットコントロールできる可能性が高くなるわけです。
日本人はそのパワーの差を補うため、バッティングの技術を追求し、配球を研究してその技術は大きく発展しました。日本とメジャー、身体能力の差が野球の文化や歴史の違いにつながっているようです。
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