横浜DeNA・白崎浩之選手の4月23日のプレーを検証する
公開日:
:
プロ野球
もう2週間前になるが、4月23日の巨人戦で2年目のショート・白崎浩之選手が3失策、初回にはファーストのエラーとなったものの悪送球でランナーを許しており、ショートの守備のミスを重ねた。このプレーを検証する事で、これから遊撃手としてプロを目指す選手にとって有意義になると考え、元プロ野球の内野手・日野茂氏に検証をお願いした。
1回の悪送球(エラーはつかなかった)の検証
横浜DeNA・白崎浩之選手、4月23日の1回のプレー(※外部リンク:READ2CHブログ)
初回のプレーは体より右側に少し離れた所へのゴロで、捕球はできたものの、一塁送球が大きくホーム側へ逸れてしまったものだ。
これについて日野氏は、「フットワークに問題がある。投げる際に足の踏み込みができていない。」と解説をしています。そのため体が流れながらの送球となり、その方向(右側)に送球がそれてしまったという事です。
ただしこのプレーは捕球の位置から踏ん張って投げるプレーで簡単なプレーではなく、エラーが付かなかった事もあります。しかしショートであれば見せ場のプレーであったともいえます。
5回のエラーの検証
横浜DeNA・白崎浩之選手、4月23日の5回プレー(※外部リンク:READ2CHブログ)
体の少し左側に来たやや打球の速いゴロでしたが、それを捕球できずにエラーとなりました。これについては、難しい打球ではなく、おそらく「投げることを考え過ぎてのプレーなのだろう」と言う事です。その他にも理由はありますが、後ほどまとめます。
7回のエラー、8回のエラーの検証
横浜DeNA・白崎浩之選手、4月23日の7回プレー(※外部リンク:READ2CHブログ)
このプレーは自分の右側のゴロですが、それほど離れておらず、バウンドも難しい物ではありませんが、ミットに当てた後でトンネル気味に後ろにそらしてしまいます。1回のプレーと比べても両足を開いて打球を体の真ん中に入れています。このプレーに関して日野氏は何度も何度も映像を確認しました。エラーになる要素が少ないプレーでした。そして最終的には「捕るための準備が遅いプレー」と評価しました。
横浜DeNA・白崎浩之選手、4月23日の8回プレー(※外部リンク:READ2CHブログ)
最後に8回のプレーです。これは自分より左側の強い打球で、5回のエラーに近いものでした。しかし5回とは捕球の体勢が大きく違っています。
プレー検証まとめ
まとめると、1回のプレーはフットワークがやや足りなかったために悪送球でした。そして、5回、7回、8回のプレーは全体的に検証をすると、
「捕球体勢が良くない。体が入っていない。まず止めると言う事を意識して下半身が崩れている」と評価しました。サードの場合は強い打球が体の近くに来るため、まずは打球を止めるために膝をついて体で止める、というプレーもあります。5回や8回のプレーは遊撃手にも関わらずサードに近い動きをしているように見えます。
遊撃手は止めただけでは打者走者をアウトにできなくなる可能性が高いため、「捕る」事が重要になります。白崎選手は大学3年まではサードでプレーをしていましたが、そのサードの形や意識がまだ残っているようです。
ショートは特にフットワークが必要で、フットワークの足の運びによって、送球まで繋がったプレーになるかそうでないかが決まります。ショートでプレーする時には、フットワークと捕球の準備、捕球体勢を意識してプレーするようにしましょう。
ただしこの日は慣れていない土のグラウンドでした。規則的なバウンドで転がってくる人工芝に比べ、土は多少なりとも変化があるようです。そのためプロはキャンプでは土のグラウンドで守備を行い、打球の変化に対応できるようにします。土のグラウンドで練習すれば、人工芝のゴロは簡単に取れるようになると、日野氏も話しています。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
関連記事
-
-
合理的な補強とその危うさ、東北楽天のチーム作り
東北楽天は2004年オフからプロ野球に参入し、当時の近鉄やオリックスから分割ドラフトで選手が加わっ
-
-
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る
今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山選手などを中心に、かつての黄金
-
-
この12人はなぜドラフト1位指名されたのか
以前の記事「ドラフト1位候補の12人を石毛宏典氏、日野茂氏とチェック」にて、ドラフト1位指名されそう
-
-
【ドラフト会議特集3】ドラフト会議を待つ選手の心境、4度目のチャンスでプロ入りした清水透選手
ドラフト会議を迎える選手たち、しかし実はプロに行きたいからと素直のプロ志望をすることができない状況
-
-
自分のベストが決まる時
野球選手にかかわらず、スポーツ選手は、自分のベストコンディションというものを理解している。特に野球
-
-
「山田哲人はセンスの塊」、石毛宏典、日野茂が話す
東京ヤクルトの山田哲人選手は180cm76kgの内野手だ。見た目にはスラッガータイプに見えないし、び
-
-
中畑清監督について、駒大の後輩・石毛宏典氏が語る
横浜DeNAの監督を4年間務めた中畑清監督が、前半は首位だったものの後半失速し、最下位に沈んだことを
-
-
【ドラフト会議特集9】ドラフト会議を10倍楽しくするためのテレビ番組
10月23日に行われるドラフト会議まであと1週間を切った。今年のドラフト会議を楽しむためにも、今週
-
-
今永昇太投手、上原健太投手、岡田明丈投手を石毛宏典、元プロスカウト・日野茂が斬る
今日はドラフト1位候補に名前のあがる駒澤大・今永昇太投手と、明治大の上原健太投手、大商大の岡田明丈投
-
-
球春到来!プロ野球キャンプの見方
いよいよ今日からプロ野球のキャンプがスタートする。各チームとも新戦力も加わり、監督が交代したチームな