この季節の大学野球、それぞれの進路へ
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大学野球
4月、5月のこの季節は、高校、大学、社会人の各種大会やリーグ戦が開催されています。大学野球にとって今はどんな時期なのでしょうか?
全国への道、大学野球編
高校野球では、暑い夏の都道府県大会と甲子園が最大の目標となり、夏に向けて練習をしています。
ですが大学生にとっては6月に明治神宮球場、東京ドームで行われる全日本大学野球選手権大会が、大学生にとっての甲子園となります。特に大学生にとっては神宮球場が聖地となります。
大学野球リーグの場合、高校野球と同じかそれ以上に中央と地方に戦力差が見られます。有力な高校野球選手の多くが東京六大学リーグ、または東都大学リーグの大学に進むためです。そのため、選手権のトーナメントは、東京六大学と東都リーグはシードされ、決勝戦まで対戦しないようになっています。
大学野球は地方の大学の選手が、中央の大学の選手にチャレンジするような図式になっているようです。過去10年間を見ても東都大学リーグが4回、東京六大学が3回優勝をしています。しかし、2004年は仙台六大学リーグの東北福祉大、2005年には阪神大学リーグの大阪体育大、そして2013年には関甲新大学リーグの上武大が優勝を果たし、地方リーグで成長した選手が中央の大学の選手を打ち破っています。
地方の大学リーグのチームや選手にとっては、中央の大学と対戦する事で自分たちの実力が分かるのです。
進路を決める時
また、もうひとつ大学生にとっては大切な季節となります。大学生にとって4月、5月というのは、周りの大学4年生は就職活動を行ったりと続々と進路を決めていく季節です。野球選手にとっても、これから野球を続けるのか、それとも本格的な野球はこれで終わり就職をするのか、という人生の大きな判断をしなければなりません。
多くは小学生から高校、大学と野球をしてきた選手です。そしてその中の多くは、野球と別れる決断をしなければなりません。推薦などを得にくい大学では、就職活動のために試合に出られなくなる選手もいたりします。
また野球をこれからも続けられそうな選手は、社会人チームへの内定がほとんどがこの時期に決まります。
さらに、「プロ野球に行けるのかどうか」も重大な決断になります。プロ野球に行けるかどうかは10月に行われるドラフト会議で初めてわかるため、もしそこで指名をされずプロ野球へ進めなかった場合は、他の選手よりも大きく出遅れる事になります。先日も、プロ野球のスカウトから注目されていた、名古屋大学のエース・七原優介投手がトヨタ自動車入りを決めたようです。これもまた難しい決断をしなければなりません。
大学生にとってこの季節は、野球でも野球以外でも非常に大切な時期になります。野球を続けられる選手、今年で野球を辞める選手がいて、その中で熱い戦いを見せてくれている大学生選手達、是非応援をしてください。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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