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現在のランクと将来のランク、斎藤佑樹と田中将大

公開日: : スカウト活動

選抜高校野球大会が終わり、今度は大学野球の春季リーグ戦が始まりました。社会人も各地の大会が行われ、そして高校野球も間をおかず春季都道府県大会が開催されています。この時期、スカウトは大忙しで各地の各試合を回ります。多くの選手を見る事になるのですが、スカウトはどのように選手を見ているのでしょうか、その一部を紹介します。

リストアップされた選手

多くの選手がいる中で、基本的には球団でリストアップされた選手、そして自分でこれまで見てきた選手を視察しに行きます。そして選手を見る事により、自分の中のランキングをしていくのだそうです。元西武のスカウトだった日野氏は、先日Youtubeの映像を見て評価してもらった時には、投手だったら10球程度を見れば判断できる、と話しています。ただし、球場で実際に見るところは、選手のしぐさだったり、態度だったり、走り方だったりと、プレー以外の所で選手を見ているようです。

目に留まった選手は、何度も足を運ぶ事になります。投手も野手も調子が良い時、悪い時もあります。何度も見る事によって、その選手がだんだんと分かっていきます。

 

現在のランクと将来のランク

選手を評価してランキングを付けていく中で,日野氏は、「現在のランクと将来のランクがある」といいます。現在はこの選手の方が評価は高いけれども、将来的にはこちらの選手のほうが高くなる、という目を持って、二つのランキングをしているのです。

具体的には、2006年の夏の甲子園の決勝で投げ合った、早稲田実の斎藤佑樹投手と駒大苫小牧の田中将大投手の例があります。当時の斎藤佑樹投手はストレートも140キロ後半を記録してコントロールも良く、何より決勝で引き分け再試合を戦って田中将大投手に勝利をしました。人気も抜群で当時のプロのスカウトも当然注目をしていました。

しかし日野氏は、「球団に薦めるならば田中将大投手」だったそうです。現在のランクでは斎藤佑樹投手と田中将大投手は同じくらいのランクでしたが、将来のランクでは185cm以上の身長があり球速も豊かだった田中将大投手の方が上でした。

結局、斎藤佑樹投手が早稲田大学へ進学を決め、田中将大投手は4球団から指名を受け、東北楽天に入団します。そして先日、ニューヨークヤンキースでプロ100勝を達成しました。

 

現在のランクと将来のランク、そういう視点を持って選手を見てみるのもおもしろいですね。

 

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

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