*

創志学園・高田萌生投手と、敦賀気比・山崎颯一郎投手を、元プロスカウトが評価

公開日: : 高校野球

センバツ大会の智弁学園と高松商の大熱戦となった決勝戦から、早いもので1ヶ月が経った。高校野球は各地の春季大会が真っ盛りで、いよいよ夏への意識が本格的なものになってきた。センバツで注目された投手のうち、創志学園の高田萌生投手と敦賀気比の山崎颯一郎投手を、元西武スカウトの日野茂氏に評価をしてもらった。

創志学園・高田萌生投手

高田萌生投手は2年生の段階で最速150キロを記録し、その秋には中国大会を制して明治神宮大会で全国デビューを果たしている。松坂大輔投手のフォームを手本にして成長した右腕投手で、センバツ大会でも149キロを記録、初戦の東海大甲府戦では1失点完投で勝利し、プロのスカウトからも「大会NO.1右腕」の声が挙がった。

その高田投手の以下の映像を、日野氏に見てもらい評価をしてもらった。

 

Youtube  創志学園・高田投手の立ち上がり 高松商戦 より

 

日野氏は、「これは文句ないね。いい投手」と断言しました。178cmで体重も70kg台だったが、特に下半身の太ももなどが太く、下半身がしっかりしている投手で、その土台があるために、「しっかり腕も振っているし制球もある」と話した。

松坂大輔投手と比較をしてもらうと、「力は松坂の方があるかもしれないが、放り方は高田の方がキレイ」と話す。

センバツでは高松商戦で8つの四死球を出して敗れるなど、まだ課題もある投手だが、強い体とベースにしてプロでもさらに成長できる投手との評価をいただいた。

ちなみに高田投手は岡山県出身であるが、中学校は野球の強豪・明徳義塾中に入学し、高校では再び地元へと戻った。その時、同じ岡山の強豪、岡山理大付の入学も検討していたが、岡山理大付からは推薦は得られず、創志学園に入学したという。スカウティングというものは本当に難しい。

 

敦賀気比・山崎颯一郎投手

高田投手と同じく、高校2年生の時から注目されていたのが、敦賀気比の山崎颯一郎投手だった。山崎投手は188cmの大型右腕で入学時から注目されていたが、1年生秋の明治神宮大会ではエースの平沼翔太が控えに回り、山崎投手に先発の経験をさせていた。

2年時はエース・平沼投手の大活躍で大舞台での投球機会は少なかったが、夏の甲子園の花巻東戦では劣勢の5回から登板すると、2回をノーヒット4奪三振でパーフェクトに抑え、チームも1点差に追いつくなど勢いづける投球を見せていた。しかし明治神宮大会でも好投を見せたものの、スカウトが色めき立つような投球は見られず、常に潜在能力を期待される投手だった。

センバツでは冬の成長が最も期待されていたと思う。そして初戦の青森山田戦では9回4安打9奪三振で完封勝利を挙げたが球速は143キロどまりで、続く海星戦では9回で9安打を許し、2失点で完投したものの敗れた。投球後のプロスカウトの評価では、やはり潜在能力の高さを評価するコメントが多く、この大会でも素質が開花したという評価は得られなかった。

山崎颯一郎投手については、次の映像を見てもらった。

Youtube 【注目投手】 山崎颯一郎・敦賀気比 奪三振シーン 2016センバツ高校野球 甲子園 vs青森山田高校 より

 

日野氏は「下半身の粘りがないね。」とまず話した。確かに1年生や2年生の頃に比べると、強い球を投げ続けることができるし、高めの球もまだあるものの低めの制球もできている。1試合を完投できる投手になっているものの、上半身の感覚と手でコントロールしているように見える。

「角度をつけたがっているのかな?」と話すように踏み込む足のスタンスがそれほど広くない。これだけの長身があればもっとスタンスを広げる事もでき、そこでグッと踏ん張る所が「下半身の粘りがあるか」という事になる。それができるようになれば、バットにより近い所でリリースし、今の球速でもプロでやれる球になるかもしれない。また下半身が安定すれば、もっと強く腕を振る事もでき、それによってコントロールが乱れなくなるようになる。

プロのスカウトが山崎投手に見る潜在能力は、「下半身をしっかり鍛えれば、面白い投手になる」というものなのだろう。

春から夏にかけて、各地では新たなプロ注目の投手が登場している。早くからプロスカウトが見ていた高田投手と山崎投手が、高校最後の夏にどんな投球を見せてくれるのかも注目だろう。

(Professional baseball view 編集部 柄井)

関連記事

Koushien

センバツ高校野球大会、夢は夏に向かって

センバツ高校野球大会は今日、決勝戦を迎える。智弁学園vs高松商という、名門で強豪でありながら、決勝で

記事を読む

Koushien

石毛宏典氏の高校野球への提言

8月が終わり、高校野球は新チームの戦いが始まっている。この夏も各地で、甲子園で多くの選手がプレーした

記事を読む

新芽

大谷・藤浪世代で次に出てきそうな選手と、その次の世代

 プロ野球では6月11日に北海道日本ハムvs巨人戦では北海道日本ハムの大谷翔平投手、阪神vs千葉ロッ

記事を読む

Koushien

高校野球の2014年の日程終了!今年の高校野球シーンを振り返る

 高校野球は明治神宮大会が終わり、2014年のすべての日程が終了した。あとは年末を越し、1月末に選抜

記事を読む

野球塾指導1

頑張れ、野球塾出身の4番!そして全国の高校野球3年生へ

 ゼロベースボールアカデミーで、元プロ野球選手の始動を受けた選手たちが、高校野球の最後の1年を戦って

記事を読む

バッターボックス

アマチュア野球の注目スラッガー選手を元西武、阪神スカウトが評価する

これぞプロという迫力ある打球を打つ選手は、いつの時代もファンの心をつかむ。プロ野球でも筒香嘉智選手、

記事を読む

kyujyou3

高校野球の応援曲のルーツ~第2回:甲子園常連高校~

 高校野球の応援特集、第1回では東京六大学由来の応援歌を紹介しましたが、第2回は甲子園常連校由来の応

記事を読む

記者会見

高校野球選手の発言と時代

 高校野球の熱戦が続き、また多くの高校が敗れている。注目された高校野球選手は新聞記者のインタビューを

記事を読む

mound

センバツ注目投手だった佐野日大・田嶋大樹投手を改めてチェック

2014年の第86回選抜高校野球大会は龍谷大平安高校の優勝で幕を閉じました。好投手がたくさんいました

記事を読む

batter

高校野球のタイブレーク導入に5割が支持のアンケートは適切か?

   高校野球連盟は、選手の健康管理に関するアンケート結果を公表した。報道によると、「回

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
石毛宏典
ドラフト1位候補の12人を石毛宏典氏、日野茂氏とチェック

 いよいよ今年のドラフト会議が来週木曜日(10月26日)に開催される。

石毛宏典
石毛宏典氏は中村奨成選手を絶賛、プロもマネをするべき打撃

石毛宏典氏は今年の夏の甲子園で、久々に注目したバッターがいたと話した。

石毛宏典
石毛宏典氏が源田壮亮選手を絶賛

 社会人から西武ライオンズ入りし、1年目から遊撃手として活躍をした石毛

石毛宏典
東北楽天の快進撃と千葉ロッテの低迷を分析する

2017年のパリーグは、5月10日終了時で東北楽天が貯金12をもって首

石毛宏典
レギュラー争いと選手の成長

プロ野球では、同じポジションに複数の選手がいる。チームの各ポジションで

→もっと見る

PAGE TOP ↑