石毛宏典氏が対戦したくなかった西武黄金期の投手は?
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プロ野球
1980年代から1990年代にかけての西武ライオンズは、まさに黄金時代だった。そのチームを支えたのは、強力な打撃陣と豪華投手陣だった。この時の西武の打者が、この西武の投手陣と対戦したらどうなったのだろう。まさに矛・盾の話しになるが、トップバッターやクリンナップを打った石毛宏典氏に話を聞いた。
豪華投手陣
まず、西武の投手陣を見てもらう。年は一緒ではないが最も良い成績を残したと思われるものを載せている。
工藤公康 16勝3敗 防御率2.82 151奪三振 1991年
渡辺久信 16勝6敗 防御率2.87 178奪三振 1986年
郭泰源 15勝6敗 防御率2.59 108奪三振 1991年
石井丈裕 15勝3敗 防御率1.94 123奪三振 1992年
渡辺智男 11勝6敗 防御率2.35 119奪三振 1991年
潮崎哲也 6勝3敗 防御率1.18 64奪三振 1993年(リリーフ)
それぞれが140キロ後半の速球を投げ、特徴のある変化球を持ち、完投能力の十分ある先発と、絶対的なリリーフがそろっている。この投手陣を相手にしたら、相手チームは3連戦の前から覚悟をしなければならないだろう。
石毛氏も他球団の選手などから「西武との対戦では打率が1部は違う」と言われていたという。
西武打撃陣はこの投手陣を打ち崩せるか
この中で最も打てそうにない投手について石毛氏に聞いてみると、潮崎哲也投手の名前が挙がった。潮崎投手はサイドハンドからの大きくて鋭い曲がるのシンカーが特徴だが、「球速も横から140キロ後半が出ていて、打てそうになかった」と話す。まさに絶対的なリリーフだった。
先発について聞いてみると、「この中でエースといえるのはやはり久信」と話した。渡辺久信投手は通算125勝110敗、良い年は上記のように16勝、18勝などを挙げているが敗戦の数も比較的多かったが、石毛氏は「勝手も負けても同じ精神状態で常に投げられる。ローテーションを1年間守っていける投手だった」と話した。
逆に郭投手は117勝68敗と勝率は高いが、「少しでも気になるところがあると『ここが痛い』と言って投げなかった」という。逆にそれによって長い年数を投げることができたのかもしれないが。
また渡辺智男投手も豪快な腕の振りから150キロの速球を投げていた。良い時は手が出ない投手だと石毛氏も話す。しかし、「かなりの神経質、故障した後に痛みがなくなっていても、怖がっていた」と話し、これについてコーチだった日野茂氏も「故障した長くかかる投手だった」と話す。渡辺投手は45勝40敗という通算成績だった。
そして左のエースで現ソフトバンクホークスの工藤公康投手に聞いてみると石毛氏は「いやな投手ではない。スライダーもあるがこの中では比較的対戦しやすい投手だと思う」と話した。通算224勝142敗を記録しているレジェンドは、のちに福岡ダイエーに移籍し西武打線と対戦するのだが、もしこの時の西武打線を相手に投げていたら、どんな成績を残していただろう。
実はこの投手陣の他にも、控え投手で良い投手がたくさんいた。しかしこの投手陣の前に1軍で投げる機会は少なく、他球団に移籍してから結果を残す投手もいた。それについては後日紹介します。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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