*

大学野球に危惧、石毛宏典氏が語る

公開日: : 大学野球

ドラフト会議のシーズンが近づいてくる。高校野球の選手はテレビ中継などもあり、また青春のドラマとして注目される事も多く、世間一般に知られている選手が多いが、ドラフト会議では大学生選手の指名が比較的多い。高校生とは違った体つきとなり即戦力としても期待できるし、22歳前後と若さもあって将来性も期待できる。しかし、石毛宏典氏は大学野球の選手育成について危惧を抱いている。

育たないスラッガー

かつては法政大の山本浩二選手や、田淵幸一選手、立教大の長嶋茂雄選手、近いところでも慶大の高橋由伸選手や青学大の小久保裕紀選手、井口資仁選手などが大学時代からホームランをかっ飛ばし、プロ入りしてもすぐに結果を残す即戦力スラッガーが育っていた。

駒大の主将としても活躍していた石毛宏典氏や、中大でプレーしプロ入りした日野茂氏も東都大学リーグの試合を良く見に行くというが、石毛氏は「駒大の試合を見ていると、なんでこんな打線なんだと感じる事がある」という。大学野球は東京六大学や東都リーグ、関西学生リーグが最も注目され大学野球の中心と言って間違いない。そしてそのリーグに参加している大学に全国の有力な選手が集まってくる。当然、全国屈指の打線になるべきだが、リーグでは投高打低の試合が多いように感じられる。

石毛氏はその理由の一つとして、「大学の現状とスカウティング」を挙げた。

 

大学スポーツの現状

大学スポーツについて石毛氏も日野氏も、大学スポーツの現状について、「教授会などの力が大きくなり、スポーツ推薦の枠が少なくなり、スポーツ部が獲得枠を争う状態」になっていると話す。大学も少子化の流れがあり経営が優先される状況になっている。

またその少ないスポーツ推薦枠を使って選手を獲得するのだが、これについて石毛氏は「見る目が大切」だと話した。大学のスカウティングを見ていると、「なぜこのような選手ばっかりが集まっているのか」と疑問に感じる事もあるという。獲得人数が少なくなる中で、選手を見る目は重要さが増している。

 

地方大学から選手が出てくるのは

また、近年では広島経済大の柳田悠岐選手や中京学院大の菊池涼介選手など、地方の大学からプロで一線級の活躍をする選手が出てきていることについても、東京六大学や東都、関西の大学などが推薦の枠が減った事で、金銭的な問題もあり関東や関西に出てくることが難しくなったため、地元の大学に進む選手が増えていると話した。

本来ならば東都や東京六大学のチームで推薦で入学できたような選手が地方の大学に進む事が増え、「今では地方の大学との差がなくなった」という。

いずれにしてもまずは素質を持った野球選手が野球を継続できて成長し、プロ野球でも一流の選手として活躍することが、日本野球全体の発展につながる。大学野球はいま変わっている最中にある。

(記事:Professional-view Baseball 柄井)

関連記事

6dai1

島袋洋奨投手はプロで活躍できるか

 2010年の高校野球は興南高校が春夏連覇を達成した。その時のエース・島袋洋奨投手は大学時代に明と暗

記事を読む

挫折と栄光

挫折もありの野球人生

 野球人生は、平たんな道ではないようだ。少年野球、高校、大学、社会人、そして独立リーグ、プロ野球、メ

記事を読む

sougankyou

2016年のドラフト候補の目玉・田中正義投手

2015年のドラフト会議が終わり、2016年のドラフト会議に向けたスカウト活動がスタートしている。

記事を読む

jingu

さよなら、僕の野球!大学野球選手権と野球からの卒業

 5月、大学野球の春季リーグ戦が終わり、大学野球の春のクライマックスである大学野球選手権が行われてい

記事を読む

Jingu

70連敗を止めにいった東大の誤算

東京六大学では東京大学がワーストタイの70連敗となった。2010年の早稲田大学戦で斎藤佑樹投手に勝っ

記事を読む

ishige2

駒澤大の2軍降格についてOBの石毛宏典氏が語る

東都大学リーグの1部2部入れ替え戦で、1部6位の駒澤大は、2部1位の東洋大に1勝2敗と負け越し2部降

記事を読む

Jingu

大学野球はもっと発展できないか

 大学野球選手権、神宮球場や東京ドームに足を運ぶと、以前に比べると人が増えた気もする。雨の多い季節の

記事を読む

日本

侍ジャパン大学代表はどれだけ強いのか?

 今日6月29日、韓国で行われるユニバーシアードに出場する「侍ジャパン大学代表」が、プロ野球(NPB

記事を読む

mound

京都大学の勝ち点への道のり

関西学生野球リーグの京都大学が5月7日の同志社大戦で勝利し、23季ぶりの勝ち点を挙げた。この勝ち点の

記事を読む

keio

新・慶応義塾大野球部が始動、全国大会で優勝するために

 慶応義塾大は大学野球の雄である。早稲田大とともに日本の野球の発展を担ってきた。東京六大学でも今年春

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
石毛宏典
レギュラー争いと選手の成長

プロ野球では、同じポジションに複数の選手がいる。チームの各ポジションで

石毛宏典
今年の西武ライオンズは行ける?石毛宏典氏に聞く

4月18日時点で7勝6敗、3位の位置にいる埼玉西武ライオンズ、辻監督に

バッターボックス
頑張れ女子野球選手!

野球は、見るのも面白いし、プレーするのも面白い!そして男子だって楽しけ

sougankyou
今年はドラフト不作の年?

 大学野球リーグもスタートし、今年のアマチュア野球シーズンが本格的に開

gorin
次は東京オリンピックで!侍ジャパン

 侍ジャパンの4年間の戦いが終わった。結果を振り返ると重い4年間だった

→もっと見る

PAGE TOP ↑