*

プロの目から見たアマチュア選手のプレーと指導

公開日: : スカウト活動

 第1回プロ野球スカウト講座が7月4日に行われた。元西武スカウトであり、横浜ベイスターズの2軍監督やヘッドコーチも務めた日野氏による3時間の講座だったが、20人を超えるアマチュア野球の有望選手や現在プロ入りしている選手を教材として、選手の評価を行った。

選手を評価する目

 私も含めて多くの野球ファンは、ピッチャーだったら速い球を投げ、打者だったらボールを遠くへ飛ばす選手に惹かれる。また、例えば大学で通算20勝をしていたり、高校野球で全国制覇をしていたり、高校通算40本塁打だったりという実績があれば、当然プロで活躍する選手だろうと思う。

 しかし、プロ野球を経験した選手の中でも、スカウトやコーチで多くの選手をみてきた日野さんからみると、同じ通算40本塁打でも、同じ球速150km/hでも、全然違う事がわかる。

 日野さんは甲子園で優勝をしながらプロや大学で苦労をしている、東浜巨投手や吉永健太郎投手などについて、どこが問題なのかを指摘してくれた。また高校時代はあまり評価していなかったという高橋光成投手について、プロ入り後にどこが変わったのか、また欠点がわかっていながら埼玉西武がドラフト1位指名した理由も教えてくれた。

 

選手を育てる目

 また講座では、将来が期待される少年野球選手を関係者に持つ方が参加されていて、その選手のフォームなども一緒に見ながら日野さんからアドバイスをされていた。ピッチャーの選手だったが、投げる時の身体のバランスや角度についてアドバイスをしていたが、私たちがアマチュア野球の指導者からよく聞くフォームではなく、一番ボールに力が伝わるフォーム、ボールを思い切り投げる時に体がどのように動いているのか、それを大切にすることなどを指導していた。

 日野さんが語ったのは「選手は周りの大人によって壊される」という事だった。ZEROベースボールアカデミーのほか、神奈川県であったり、呼ばれて全国で少年野球選手の指導を続ける日野さんは、選手を指導する大人の指導方法にこれまでも疑問を呈してきている。

 プロ野球に入る選手は、まず速い球を投げたり、ボールを遠くへ飛ばす選手、というのはプロの目も変わらない。そのためには少年野球選手には思い切り力を入れて投げられたり、思い切りバットが振れる形でプレーをさせなければならない。今では高校野球だったり中学野球でも高いチームプレーが求められる。それを否定するわけではないが、ランナー3塁でバットに当ててゴロ&ゴーで1点を取るより、思い切りスイングさせて外野に飛ばすような方が、将来魅力ある選手は出てくる気がする。

 高校生、大学生、社会人の選手をスカウトするプロ野球のスカウトでさえ、今のプレーよりも将来どんな選手になるのかを非常に重んじている。小学生や中学生の指導者も、その選手の将来の姿を大切にして欲しい。

 

 いずれにしても第1回プロ野球スカウト講座は、運営でぎこちない所もあったかもしれませんが、参加された皆様のご協力もありまして無事終了いたしました。満足頂いたかどうかはご意見を聞かないといけませんが、これからももっと続けていける内容だったと思います。

 第2回プロ野球スカウト講座も計画を進めております。また充実した内容でご参加いただけるようにいたします。ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

現在のランクと将来のランク、斎藤佑樹と田中将大

選抜高校野球大会が終わり、今度は大学野球の春季リーグ戦が始まりました。社会人も各地の大会が行われ、そ

記事を読む

【ドラフト会議特集4】スカウトの仕事、交渉事

 プロ野球のスカウトは、チームのために必要な戦力をそろえる事。選手を見て評価をすることが最も主な活動

記事を読む

センバツ総括:「将来が楽しみな選手が多かった」

 センバツ高校野球大会もいよいよ準決勝、決勝の2日を残すのみとなった。準々決勝で雨天となりプレーする

記事を読む

夏の高校野球、プロのスカウトは何を見ているのか?

 季節は7月、暑い季節となりました。そして熱い高校球児の戦いが各地で行われています。新聞でも注目の球

記事を読む

スカウトの神様は野球マニアだった、時代で変わるスカウトの評価

 プロ野球のスカウトがすごいと思うのはスカウトは誰なのだろう?元西武ライオンズでスカウトをしていた日

記事を読む

田中正義になれるか、成長を期待したい4投手を元プロスカウトが評価

今年のドラフト会議の超目玉として、早くも一挙手一投足に注目が集まっている創価大・田中正義投手。12球

記事を読む

野手のドラフト候補がスカウトに注目されるには

 センバツに出場する野手の候補を紹介してきたが、元西武のスカウト・日野茂氏に、「野手はどんな風にすれ

記事を読む

ドラフト下位指名選手の活躍、スカウトの喜び

 昨日の中日と横浜DeNAの試合で、中日のドラフト7位ルーキー・遠藤一星選手が勝ち越しのヒットを放ち

記事を読む

プロのスカウトがバッティングを見る時のポイント

 選手のバッティングを評価することは非常に難しいです。プロのスカウトは打者のバッティングのどこを見て

記事を読む

プロ野球のスカウティングは「営業」か「投資」か

 ローソンの社長を務めた新浪氏が10月からサントリーホールディングスの社長に就任する。近年は新卒学生

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑