*

東海大相模・吉田凌投手を元プロ野球のスカウトが評価する

公開日: : 高校野球

 今年のドラフト候補の高校生の中で、プロが注目している左右の投手が東海大相模にいる。共に中学時代から注目された逸材は、3年生を迎えてどんな投手になったのか、元プロスカウトの日野茂氏に映像を見てもらい評価をお願いした。

 今回は右の本格派、吉田凌投手。

吉田凌投手

 吉田凌投手といえば、中学時代から注目された逸材だった。兵庫北播シニアでエースとして活躍すると、シニア日本代表に選出され、世界ベスト8に貢献した。当時から130キロ後半の速球を投げ、関西圏を中心に多くの高校から誘いを受けたが、神奈川の強豪・東海大相模に入学している。

 東海大相模では1年生の秋には、最速149キロを記録し、当時2年生でプロから注目されていた青島凌也投手や佐藤雄偉知投手よりも大事な場面で起用されており、監督からの信頼も厚かった。そして高校2年生の夏、神奈川大会決勝で先発すると、9回2アウトまで20奪三振の快投を演じ、大きな話題となった。

 甲子園、東海大相模は初戦で敗退したものの、吉田投手は3番手で登板し、2回をノーヒット3奪三振に抑えた。得意のスライダーは高校生は面白いように空振りが奪えた。だがそれが良くなかったのか、スライダーに頼るようになると、秋は調子が上がらずにチームのエースの座も、同学年の小笠原慎之介投手に譲ってしまう。その調子の悪さは翌年春になっても影響があったようで、昨年まで150キロを超す球も投げていた速球は、140キロ出るかでないかしか記録できず失点も繰り返した。それでも門馬監督は成長ぶりを評価し、プロのスカウトも将来性を評価する声が高い。

 

元プロスカウトが評価

 今回、元プロスカウトの日野茂氏に見ていただいた、吉田凌投手に関する映像はこちらです。

 Youtubeより 2014/4/20 吉田凌 (東海大相模高校) 145km/h計測 2年春 2015年ドラフト候補

 

 Youtubeより 【東海大相模】10 吉田凌投手(3年春関東)

 

 2年生の投球と最近の関東大会の投球の映像を比べて、日野氏は「2年の時に比べると3年生の時の方が、腕の振りが弱くなっている」と話した。腕の振りが弱くなる原因としては、故障であったり、フォームを崩して制球ができなくなり、その状態でコントロールしようとして腕の振りが鈍くなったり、または自信を失っていたりという事が考えられるというが、どれなのかはもう少し取材をしなければ分からない。

 それでも日野氏は「どこが痛いという感じではなさそうだが」と故障ではないように見えるという。

 高校3年生になると、その冬の間に体重を増やし、体をつくりかえる投手が多い。その中で吉田凌投手は、2年生の時とほとんど同じ70kgだった。体調を崩して体作りが遅れていたり、または他の課題に取り組んでいたのかもしれないと憶測はできるが、体作りにおいては、他の投手より1つテンポを緩めている感じをうける。

 しかしその点において、ある球団のスカウトが「体ができていない分将来性が見込める」と評価しており、スカウティングというのは本当に面白い。ただしそれは吉田投手の1年生、2年生の投球を見ているからこその評価である。

 いずれにしても、吉田投手の評価は夏の大会での投球を見ないと固まらない。その時に改めて見てみたいと思います。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

選抜高校野球、注目候補の活躍はあまり見られず

 選抜高校野球大会の1回戦が、最後の登場となる東海大四vs豊橋工の試合ですべて終わった。出場32校す

記事を読む

高校野球、2014年の夏の甲子園入場者数は歴代5位で斎藤佑樹・田中将大の年を上回る

 2014年夏の高校野球大会は大阪桐蔭が優勝した。今年の夏の甲子園の入場者数は約85万3千人で、これ

記事を読む

高校野球は変われるか?

 高校野球はヒーローを生み出す場にもなる。それは甲子園で優勝した選手だけでなく、懸命にプレーしながら

記事を読む

【高校野球】レギュラーをめぐる戦いがスタート

 夏の高校野球大会が8月25日にやや遅めに幕を閉じて1週間と少し、高校野球はその大会中からすでに、来

記事を読む

高校野球は変わるのか?

 高校野球の熱戦が各地で繰り広げられている。その中で、いくつかのチーム名が連なる連合チームや、他の部

記事を読む

大谷・藤浪世代で次に出てきそうな選手と、その次の世代

 プロ野球では6月11日に北海道日本ハムvs巨人戦では北海道日本ハムの大谷翔平投手、阪神vs千葉ロッ

記事を読む

代表に集った選手たちは、何を得たのか?

 8月の甲子園終了から約2週間、侍ジャパンU18代表が集まった。約17万人の高校野球部員の中から選ば

記事を読む

東海大相模・小笠原慎之介投手を元プロ野球のスカウトが評価する

 今日は今年の高校生の左腕投手でNO1の声もあがる東海大相模・小笠原慎之介投手を、元西武スカウトの日

記事を読む

高校野球の監督の情熱

 済美高校の上甲監督が逝去された。1975年から宇和島東高校のコーチになると1977年に監督に就任、

記事を読む

インコースを投げる投手vs打者の戦いは、日本の野球の将来を左右する

 春季高校野球関東大会では浦和学院が優勝を果たした。優勝の立役者となったのは、左投手の江口奨理投手と

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑