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高校野球卒業後、独立リーグなら1年でNPB入りも

公開日: : 野球の制度

 プロ野球(NPB)のドラフト会議の制度についての話。高校生の進路は、NPBに入るまで4年間が必要な大学への進学、NPBに入るまで3年が必要な社会人、クラブチーム(日本野球連盟所属チーム)が主な選択肢であり、大学生は社会人・クラブチームに進むと2年後にドラフト会議で指名を受けることができる。

高校生の選択肢

 これからも野球を続けていこうと考える野球選手が、真っ先に思い浮かべるのは大学への進学、これまでも多くの選手が大学野球からプロ野球に進み、活躍をしてきた。

 特に東京六大学や東都大学リーグに所属するチームに進む事は、注目を集める機会も多くなり、プロ入り選手は非常に多い。ただし、最近では例えば東北福祉大だったり、九州共立大といったような東北、九州のチームからNPB入りする選手も多く、地方リーグからドラフト1位で指名されることも珍しくなくなった。

 ただし、大学に進学すると卒業年度(4年)はドラフト会議で指名を受けることはできず、最近では大学、1年生、2年生から結果を出した主に投手が、3年生、4年生で逆に故障をしたり、調子を落としたりするケースもあり、4年間は長すぎるという声もある。

 そこで、3年でドラフト会議で指名されることが可能な、社会人野球が選択肢に入ってきており、佐野日大の田嶋大樹投手などは3年でのプロ入りを目指してJR東日本に針路をとった。大学に進学した同学年の選手よりも3年早くプロ入りして活躍をしている選手もプロ野球にかなりの数いる。

 社会人野球は大学と違い、4年間で必ず選手が入れ替わるという事がない。そのため、1年目から無理して投げる事もない代わりに、大学を卒業してきた選手や、社会人で何年もプレーしているベテラン選手とポジション争いをするのは、特に高校から入った野手にはかなりのハードルとなる。

 

もう一つの選択肢

 高校や大学の選手は学生野球協会との取り決めにより、プロ志望届の提出だったり卒業学年でなければドラフト会議で指名を受けることができないといったルールが決められている。社会人の高校卒選手は3年間、大学卒選手は2年間指名を受けることは出来ないというルールは日本野球連盟とNPBとの協定によってきめられている。

 そしてもう一つ選択肢がある。四国アイランドリーグプラスやBCリーグといった独立リーグだ。NPBと独立リーグが共にプロであり、各独立リーグもドラフト会議を実施して選手を獲得している。ただし独立リーグからNPBに進むには、NPBのドラフト会議で指名されなければいけないというルールがある。

 ただし、NPBのドラフトを受ける年数については、1年目から権利があることを四国アイランドリーグが設立された際にNPBと取り決めをしている。BCリーグなど他のリーグもそれを踏襲している。したがって、去年、高校野球から独立リーグに進んだ選手は、今年のドラフト会議で指名を受けることが可能だ。

 これまで、NPBのチームに入る際に、希望の球団に指名されなかった場合に、アメリカに渡ったり、留年したりして1年後のドラフト会議で希望球団に入団した選手もいた。いまでは希望球団を発表することができなくなり、また選手も強く希望球団を望む選手も少なくなったと思う。

 その中で、選手側が自分の実力や成長までのステップを考え、大学か社会人か独立リーグかを選択する事ができるようになった。ただしこれにより、NPBのチームがドラフト1位指名をしようとしていた選手が、独立リーグに進むという事は考えにくい。

 例えば佐野日大の田嶋投手は、2014年のドラフト会議で1位指名の可能性もあったとみられる選手だが、高校3年時には故障が多く、1年間やり通す体力と自信を得るために社会人入りした。独立リーグで1年後や2年後を目指すというなら、おそらく昨年のドラフトでドラフト会議で指名を受けていたと考えられる。

 しかし、指名されたもののドラフトの下位指名や育成ドラフトでの指名で、自分はもっと上位で指名されると考えている選手や、社会人での3年というものも長いと考える選手は独立リーグを選ぶ可能性もある。また、社会人チームもチーム運営上、ドラフトで指名を受ける権利がある選手にチーム残留を要請することもあり、ビジネスライクにしかしリスクも取って独立リーグに進む選手もいるかもしれない。

 独立リーグからNPBのドラフト1位で指名された選手は、まだいない。しかし中日の又吉克樹投手は2013年にドラフト2位で指名された。独立リーグからのドラフト1位指名選手がいつ誕生するのか、それがどんな選手なのか、非常に楽しみでもある。

(Professional baseball view 編集部)

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