*

プロ野球スカウトの面白さ ~昔のスカウトの仕事~

公開日: : スカウト活動

 北海道日本ハムの山田GMが退任されるようだ。思えば最近のドラフト会議で、唯一会場を湧かせてくれる球団が北海道日本ハムだったのだと思う。プロ野球スカウトの面白さについて、昔と今を比べてみる。

 根本陸夫時代の西武

 日野茂氏は球界の寝業師と呼ばれた根本陸男氏が、西武で敏腕をふるっているときにスカウトをしていた。根本氏には振り回されたようだが、スカウトについては「今よりも面白かった」と話す。

 ドラフト関係で行くと、1980年、ドラフト1位で石毛宏典選手を指名したが、その他にドラフト外で秋山幸二選手を獲得している。また翌年には伊東勤選手を熊本工業から所沢高校へ転向させて球団職員とした上でドラフト1位指名で獲得、そして6位ではケガ他球団が避け始める中で工藤公康投手をドラフト6位で指名し獲得した。

 当時のドラフト制度を利用し、西武系列のプリンスホテルなどの社会人チーム入りをに匂わせて獲得したりと様々な手法を使った。ただし、多くの選手は、能力を正しく評価した上でドラフト会議で獲得し、1983年にはドラフト1位で渡辺久信投手を、2位で辻発彦選手を、1984年では田辺徳雄選手をドラフト2位で、その後もドラフト1位で清原和博選手、渡辺智男投手、潮崎哲也投手などを獲得した。

 日野氏は根本氏の選手を見る目について「評価基準のハードルが高い人だった」と話す。人を見る目も一流だった。西武は1982年、83年、85年、86年、87年、88年、90年、91年、92年、93年、94年、97年、98年、でリーグ制覇し、日本シリーズでも3連覇を2度果たすなど1980年代、1990年代の盟主となった。

 

当時のスカウトの面白さ

 日野氏は当時のスカウト活動について、「ドラフト外があった」こと、また「プロ志望届が無く、何が起こるかわからなかった」事がスカウトの面白さだったと話す。

 選手との交渉で逆指名こそしないものの、大学や社会人入りを選手に言わせて単独で指名したりという事は良く行われていた。また、これぞと思った選手を他球団に察知されないように視察をしたりして獲得する醍醐味があったと話す。

 また根本氏の西武では「スカウトの裁量権が大きかった」と話す。ドラフト前となり交渉が解禁されると有力選手には多くの球団が交渉に伺う。その中で巨人も含めて他球団は金額の交渉になると「会社に持ち帰って相談する」となった。しかし西武はその場でスカウトの裁量で獲得を決められたという。

 戦力を均衡させる、また新人選手への契約金の高騰を抑えるという意味で実施されていたドラフト会議において、金銭に余裕のある西武のスカウト活動は意義に反している。しかし、当時の制度の中でできることをやり、西武は球界の盟主となった。

 日野氏は「今後、このような球団は出てこないだろう」と話す。

つづく

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

ドラフト会議で選手を指名した担当スカウトの気持ち

 ドラフト会議で追い続けていた選手を指名した時、担当スカウトは「責任を感じる」ということを、【ドラフ

記事を読む

元プロ野球スカウトが語る、スカウトの資質とは?

 西武ライオンズでスカウトをしていた日野茂氏に、スカウトの資質について聞いた。スカウトには何が必要な

記事を読む

スカウトの夏!緊張の夏

 高校野球の各地の大会が本格的に始まっています。高校野球の夏の大会、スカウトにとっては、大きな賭けを

記事を読む

ドラフトの注目遊撃手、中京学院大・吉川尚輝選手を元スカウトが分析する

今年のドラフト会議で、注目されている大学生がいる。中京学院大の吉川尚輝選手は、プロのスカウトがドラフ

記事を読む

早稲田実・清宮幸太郎選手を、元プロ野球スカウトがチェック

 松井以来の怪物、和製ベーブルースと報道される早稲田実業高校の清宮幸太郎選手、まだ1年生の4月ではあ

記事を読む

プロ野球スカウトの面白さ ~今のスカウトの仕事~

 プロ野球スカウト、その面白さについて元西武スカウトの日野氏にお話を聞いた。今回は後編として現在のス

記事を読む

明らかになる選手の能力、チームの選手を見る目は一致しているか?

新人合同自主トレがスタートした。そこには選手を預かる1軍2軍の監督やコーチ、担当したスカウト、そして

記事を読む

大阪商業大・岡田明丈投手を、元プロスカウトが評価する

 大阪商業大の岡田明丈投手がこの春に150キロを記録し、連日のようにプロ野球のスカウトが姿を見せてい

記事を読む

【野手編】2015年のドラフト候補は?元西武スカウト・日野茂氏の評価

 あと1週間に迫ったドラフト会議、元西武ライオンズスカウトの日野茂氏がチェックした、今年のドラフト候

記事を読む

野球キャンプイン

1月、2月のスカウトの動き

プロ野球は2月1日に春季キャンプが始まり「球春到来」となる。この時期はアマチュア野球の高校野球、大学

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑