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【ドラフト会議特集8】ドラフト上位候補に挙がる社会人投手の評価は?

公開日: : 最終更新日:2014/10/16 社会人野球

 ドラフト会議に向けて各球団はスカウト会議などで指名候補を絞り込む。プロ志望届を提出している高校生、大学生のほかに、即戦力と言える社会人選手の絞り込みも本格化する。今回はドラフト上位候補と思われる2人の投手について、元西武のスカウトをしていた日野氏に評価をしてもらった。

新日鐵住金鹿島:横山雄哉投手

 新日鐵住金鹿島の横山雄哉投手は山形中央高校出身で、高校時代からプロが注目していた。左腕で182cmの身長があり、球速も145キロを記録する。社会人3年目でまだ実績不足だが、今年の都市対抗野球大会では全足利の補強選手として出場すると打者6人に対しヒットを1本許したが、5アウトをすべて三振で奪った。

 北海道日本ハムとの交流戦でも好投し、社会人3年目でプロでまだ成長する左腕投手として評価されている。今回は下の映像など複数の映像を見て評価をお願いした。

Youtube 2013/04/23 新日鐵住金鹿島・横山雄哉投手

 

 日野氏は投球フォームを見てすぐに「腕を振る位置が悪い」とつぶやいた。そして、「この投げ方では遅いボールをうまく使えない。プロでは遅いボールが使えないと厳しい。」と評価しました。

 確かにストレートの球威で、高めにはずれたストレートで空振りを奪っていた横山投手ですが、プロではよほどの球威がなければ高めのストレートに手を出したりしません。また速球だけでは通用しないのがプロの世界です。

 下半身を使ったフォーム、腕の振る位置を変えて緩い球を使えるようにする、などプロに入ってから投球フォームを変えていく必要がありそうです。この時重要なのは、自分のフォームがしっかり身についているかという事、フォーム改造の過程でこれまでの良い部分も失ってしまったりしないようにしなければなりません。

 プロ入りしてから活躍するまでが勝負となりそうです。

 

三菱日立パワーシステムズ横浜:野村亮介投手

 次に評価してもらったのが、野村亮介投手です。こちらも静清工高校(現静清高校)から社会人に進んで3年目の若い投手ですが、187cmの身長から最速147キロの速球を投げます。都市対抗野球大会では初戦のホンダ熊本戦に先発すると、8回途中まで7安打6奪三振、自責点3に抑えるピッチングを見せました。

 こちらも若くて勢いのある投手で、プロでの成長が期待されてのドラフト上位候補だと言えます。

Youtube 2014/07/23 三菱日立パワーシステムズ横浜・野村亮介投手

 

 日野氏は野村投手の投球フォームを見ると、「腕のしなりがない」と話しました。確かにテイクバックをした後で、腕を担いで投げているような形です。そして「肩と肘に痛みを感じているようにも見える」と話しました。これについては確認ができていないので何とも言えませんが、たしかに思い切り腕を振り切っているような感じにはみえません。

 体やパワーはあり、力を入れなくても140キロ中盤くらいまで投げるかもしれませんが、プロの打者は速球は当てることができます。同じ速球でも球の回転や質によって、三振を取れたり詰まらせたりすることができます。野村投手はプロに入ってから、質の良い球が投げられるかどうかが活躍の鍵となりそうです。

 

 若くて体もあり勢いもある二人の投手、これだけの素質があれば本来ならばもっと評価されても良い投手ですが、プロのスカウトの目で見ると課題があります。しかし、だからプロで活躍できないというわけではありません。自分のフォームを見つめ直し、良いものに変えていく力がプロに入ってから求められます。

 それには、これまでちゃんと自分のフォームを考えてきたかどうかなのでしょう。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

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