*

島袋洋奨投手はプロで活躍できるか

公開日: : 大学野球

 2010年の高校野球は興南高校が春夏連覇を達成した。その時のエース・島袋洋奨投手は大学時代に明と暗を経験した。 秋季リーグ戦になり、徐々に復活の兆しも見え始めた島袋投手について、プロで活躍できるのかどうかを、元西武のスカウト・日野茂氏に聞いた。

夏からの復活の足跡

 島袋洋奨投手は、8月19日に行われた巨人2軍との交流戦で先発をすると、6回を投げて7安打を許したものの1失点に抑える好投を見せた。この試合にはプロのスカウトも注目し、春からの復活を印象付けた。

 しかし、9月3日の東都大学リーグ開幕戦の亜細亜大戦には登板せず、登板したのは9月9日の国学院大戦の8回から3番手であった。しかし島袋投手はストライクが入らず、球速も最速150キロにはとど遠い内容で1アウトを取っただけで3つの四死球を与えて降板してしまう。

 それから再び登板機会が空いたが、9月30日の拓殖大戦で10-2と点差の開いた場面で登板をすると、1回で2安打1四球で2失点と、結果は残せなかった。しかしこの登板では球速も140キロ中盤を記録するなど、プロのスカウトも期待感を持つ登板だった。

 そして10月2日の拓殖大戦では5-6と1点ビハインドの場面の7回から登板すると、3イニングで1安打3四死球も無失点に抑えた。球速も148キロを記録した。島袋投手もコメントも徐々に明るさを取り戻している。

 

常に注目

 普通の選手ならば、春にほとんどストライクを投げられず、ほとんど登板もできなかった時点で、今年のドラフト候補からは外されている。しかし島袋投手は甲子園の春夏連覇エースだった。しかも左腕で150キロを投げる選手として、プロのスカウトはどんなに状態が悪くても、頭の隅には必ず名前が残っていた。

 その島袋投手も高校時代より大学で活躍してプロ入りすることを目標としていた。そして9月26日にプロ志望届を提出している。

 また一般の人も島袋投手の名前を知っている人は多い。やはり甲子園連覇のエースはだてではない。

 

プロで活躍できるか

 このような状態でドラフト会議を迎える事となった島袋投手だが、実際に元プロ野球のスカウトで、中央大学出身でもある日野茂氏に島袋投手のピッチングを見てもらい、最終的な評価をしてもらった。

見てもらった映像はYoutubeに投稿されていた「2014/08/19 中央大学 島袋洋奨 巨人二軍戦5奪三振!」等。

 

 日野氏は「自分ならば推薦はしない」と初めに話した。しかしそれは現在の状態だからというものではなく、高校時代から続けているトルネード気味のフォームについての指摘だった。

 「タイプ的には150キロを投げる左の投手で、プロではリリーフで使われることになる。ワインドアップからの球は体全体で投げていて勢いもあるセットからの球は良くない。ランナーが出ると厳しくなる。」と理由を答えた。

 そしてプロでの活躍については「今のフォームで続けるならば厳しい。プロに入ってフォームを改造する事になるが、それで結果がでるか」と話した。

 身体が決して大きくない島袋投手は、全身で投げる必要がある。プロに入ってからは消耗の激しくなるため、長いシーズンや長年活躍できる身体が必要という指摘もあった。

 

松井裕樹投手と比較

 小柄な左腕というと昨年、東北楽天にドラフト1位で入った松井裕樹投手がいる。エース級の投球は出来ず途中2軍におちたものの、ほぼ1年間を通して投げ切った。

 島袋投手と松井投手を比較すると、日野氏は「ウイニングショットの差がある」と話した。松井投手にはフォークや鋭いスライダーがあり、三振を奪うことができる。しかし、今の島袋投手には高校時代のような鋭いスプリットのようなウイニングショットがまだ見られない。

 必殺球によって切り抜けられるか、ストレートを粘られて球数が増えるかは、小さな体の速球派投手にとっては非常に重要な要素となる。

 

 まとめると、今はまだ投球をする段階で苦しんでいるが、もう少し時間をかけて高校時代のようなウイニングショットを磨き、さらに経験を積んで投球術を得たり、体力をつける必要があるという事だろう。

 島袋投手はプロ志望をした。プロのスカウトはどのように判断するか。そしてプロ入りした時にどんなスタイルの投手になって活躍を見せるだろう。やはりいつまでも目が離せない投手なのは間違いない。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

 

関連記事

Jingu

来年の野球はどうなる? その2:大学野球

  今年もあと1週間となりました。来年の野球界の動きや予想などをしてみます。今日は大学野球について。

記事を読む

Jingu

大学野球も2014年全日程終了!今年の大学野球シーンを振り返る

 明治神宮大会の大学の部、決勝では駒澤大学が明治大学を3-0で下し、駒澤大学が王者となって2014年

記事を読む

mound

京都大学の勝ち点への道のり

関西学生野球リーグの京都大学が5月7日の同志社大戦で勝利し、23季ぶりの勝ち点を挙げた。この勝ち点の

記事を読む

batter

来年は野手に注目選手が!2015年のドラフト

 ドラフト会議の目玉選手は多くは投手の場合が多い。しかし来年は久しぶりに野手が注目される年となりそう

記事を読む

6dai1

【ドラフト会議特集7】ドラフトの目玉、早稲田大・有原航平投手はプロで活躍できるか

 今年のドラフト会議(10月23日)まであと10日を切り、各球団の動きも最後の慌ただしさを見せている

記事を読む

jingu

しっかりとやるべきことを繰り返して、東京大学の野球部の勝利

 東京六大学リーグでは東京大学が、2010年10月2日に早稲田大に勝って以来、約4年半にわたって94

記事を読む

野球キャンプイン

大学で野球を続けるということ

 夏の高校野球の日程が各地で進んでいる。甲子園開幕に向け、甲子園決勝に向け、全国4000校、10万人

記事を読む

Jingu

創価大・田中正義投手を元プロスカウトが評価、高校生の時に獲れなかった理由

 大学野球選手権で大きな話題となったのは、創価大学の2年生・田中正義投手だった。球速が出にくいといわ

記事を読む

Jingu

東京六大学・東都が初戦敗退、地方大学の波

 大学野球選手権の2日目、東京六大学代表の慶応大が神奈川大に敗れ、東都大学リーグ代表の亜細亜大が創価

記事を読む

挫折と栄光

挫折もありの野球人生

 野球人生は、平たんな道ではないようだ。少年野球、高校、大学、社会人、そして独立リーグ、プロ野球、メ

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
石毛宏典
レギュラー争いと選手の成長

プロ野球では、同じポジションに複数の選手がいる。チームの各ポジションで

石毛宏典
今年の西武ライオンズは行ける?石毛宏典氏に聞く

4月18日時点で7勝6敗、3位の位置にいる埼玉西武ライオンズ、辻監督に

バッターボックス
頑張れ女子野球選手!

野球は、見るのも面白いし、プレーするのも面白い!そして男子だって楽しけ

sougankyou
今年はドラフト不作の年?

 大学野球リーグもスタートし、今年のアマチュア野球シーズンが本格的に開

gorin
次は東京オリンピックで!侍ジャパン

 侍ジャパンの4年間の戦いが終わった。結果を振り返ると重い4年間だった

→もっと見る

PAGE TOP ↑