*

クラブチームの甲子園とクラブチームの実態

公開日: : 社会人野球

 ベースボールクラブチームの甲子園でもある、全日本クラブ野球選手権大会が西武ドームで開催された。決勝戦は萩本欽一氏が創設した茨城ゴールデンゴールズと、都市対抗本選に出場した松山フェニックスが対戦し、延長10回タイブレークの末、茨城ゴールデンゴールズが優勝した。

クラブチームとは

 クラブチームと聞くと、野球同好会のようなイメージを思い浮かべる。同好会型のチームもあるものの、スポンサーや親企業がついており、選手の雇用をしているチームもある。

 日本野球連盟の登録規定第3条には、

———- 

第 3 条 前条第 3 号に基づく加盟チームの種別は、次のとおりとする。
(1) 会社登録チーム
会社等の法人が加盟登録したチームをいう。
なお、公共団体等が加盟登録したチームも会社登録チームとみなす。

(2) クラブ登録チーム
会社登録チーム以外のチームをいう。

——–

 とあり、法人がや公共団体が加盟登録したチームを会社登録チームとみなし、それ以外をクラブチームになるようだが、法人が単体で運営しているチームもクラブチームとして登録しているものがあったりと、あいまいなようだ。

 クラブチームは「都市対抗野球」「日本選手権」「全日本クラブ野球選手権」の3大大会に(基本的に)出場できるので、これもクラブ登録をするか会社登録するかの判断にはならない。ただし、基本的にと書いたのは、クラブチームが予選に参加できない地区もあるようで、それは問題視されている。

 会社登録をすると「全日本クラブ野球選手権」には出場できないため、資金力があり選手をたくさん集める社会人チームと同じ土俵で戦うならば、資金力に乏しい企業チームはクラブチームとしてクラブ野球選手権に出場したほうが良いということだろう。

 

最近盛んになりつつあるクラブチーム

 日本野球連盟に登録しているチームは今年6月時点で358チームあり、その中で268チームがクラブチーム(会社チームは90)となっている。推移をみると1993年には会社チームが148チーム、クラブチームが169チームあったが、景気の影響で会社が野球チームを相次いで手放し、2003年には会社チームが89チーム、クラブチームが226チームとなっている。

 松山フェニックスはもともとは四国の強豪・NTT四国だったが、1999年に会社がチームを解散し、2000年に有志がクラブチームを立ち上げた。

 近年ではスポーツの専門学校や医療機関、ジムがオーナーとなり、所属している選手がプレーするなどもあり、かつて、高校野球などで野球をしていた選手が集まって結成したチームなどもある。

 ただし、クラブチームは1年に多くのチームが出来上がるが、多くのチームが活動休止、または解散をしており、メンバーが仕事と練習を両立したり、またはチームの運営費用がかかりスポンサーがつかなかったり、長い間運営するには大変なようである。

 

クラブチームの実態

 ゼロベースボールアカデミーのコーチ、上田浩明氏は元西武ライオンズの守備の切り札だが、ゴールドジム・ベースボール・クラブで選手兼コーチとして出場しているが、監督やオーナーが勝利に向けて熱意があるとのことだった。ゴールドジム・ベースボール・クラブは夏の都市対抗予選で、鷺宮製作所を破り話題となった。

 ほかのチームの話を聞くと、練習日に数人しか集まることができなかったり、ということもあるようだ。

 

 野球の環境は多様化している。大手企業がチームを運営する形態は主流だが、複数企業が1つのチームを運営したり、NOMOベースボールクラブのように、大きな個人スポンサーがチームを持つような形も出てくるかもしれない。

 チーム数十人の給料や遠征費、練習場の確保などのすべてを賄うには、年間で億を超す費用が必要となる。やはり選手が自分の仕事をして、合間に練習という形にはなるだろう。それでも野球の舞台に立てるのは、野球選手にとってはうれしい事だと思う。

 

 茨城ゴールデンゴールズは日本選手権出場を手にした。クラブチームの代表として大手社会人チームに挑む。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

mound

都市対抗橋戸賞の西濃運輸・佐伯尚治投手、プロが獲る可能性はあると元スカウトが評価

 今年の都市対抗は大垣市の西濃運輸が優勝した。決勝の富士重工戦で完封した佐伯尚治投手は31歳のベテラ

記事を読む

tokyo dome

社会人野球選手もつらいよ

 18日から都市対抗野球が開幕する。日本のアマチュア野球といえば、高校野球、大学野球と社会人野球が中

記事を読む

tokyo dome

2014年の社会人野球シーンを振り返る

 2014年の高校野球、大学野球を振り返りをしました。今日は2014年の社会人野球シーンを振り返りま

記事を読む

mound

西濃運輸・佐伯尚治投手の涙とルーズヴェルト・ゲーム

 都市対抗野球は西濃運輸が優勝し、黒獅子旗を手にした。創部55年目、都市対抗に33度出場の末の初優勝

記事を読む

kyujyou3

この季節の社会人野球

 この季節は社会人野球の大会も盛んに行われています。主に社会人の甲子園である都市対抗野球と、日本一を

記事を読む

バッターボックス

今度は大学生、社会人の季節

センバツ高校野球が盛り上がりの中で幕を閉じた。そしていよいよ週末に、一部の大学リーグ戦がスタートする

記事を読む

STEPUP

去りゆく野球選手たち

社会人野球日本選手権も今日、決勝戦となった。今シーズンの社会人の公式戦はこれが最後となり、シーズンオ

記事を読む

野球キャンプイン

社会人野球、人気の合宿地は宮崎、鹿児島そして・・・

 プロ野球のキャンプがいよいよ来週日曜日からスタートするが、社会人野球のチームもおおむね2月に暖かい

記事を読む

tokyo dome

社会人野球は危機感を

毎年、日本の野球で最も早い公式戦は、社会人野球のJABA東京スポニチ大会である。今年もあと1か月後の

記事を読む

kousyou

社会人野球出身スラッガーは誕生するか

 福岡ソフトバンクで活躍していた松中信彦選手が引退を表明した。松中選手といえばプロでの活躍ももちろん

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
石毛宏典
レギュラー争いと選手の成長

プロ野球では、同じポジションに複数の選手がいる。チームの各ポジションで

石毛宏典
今年の西武ライオンズは行ける?石毛宏典氏に聞く

4月18日時点で7勝6敗、3位の位置にいる埼玉西武ライオンズ、辻監督に

バッターボックス
頑張れ女子野球選手!

野球は、見るのも面白いし、プレーするのも面白い!そして男子だって楽しけ

sougankyou
今年はドラフト不作の年?

 大学野球リーグもスタートし、今年のアマチュア野球シーズンが本格的に開

gorin
次は東京オリンピックで!侍ジャパン

 侍ジャパンの4年間の戦いが終わった。結果を振り返ると重い4年間だった

→もっと見る

PAGE TOP ↑