*

「ミットよりも優れた道具」、少年野球の練習風景から

公開日: : 最終更新日:2014/07/25 少年野球指導

 少年野球の練習の話です。先日、野球塾のゼロベースボールアカデミーの練習を見ました。ショートとセカンドの連携の練習をしていましたが、面白いことがありました。

ショートとセカンドの連携

 ノーアウト、1アウトでランナーが1塁にいるとき、ショートゴロが来たら絶好の併殺プレーのチャンスです。ピッチャーは「よし!」と思い、バッターは下をうつむきながらも全力でファーストに向かいます。

 しかし、この併殺プレー、実は

  • ショートが捕球をする
  • セカンドへ送球をする
  • セカンドが送球をとりベースを踏む
  • ファーストへ送球する

と、プロは簡単に処理していますがたくさんのプレーがあり、その一つ一つにミスが発生する可能性があります。

 そうして実際に練習をしてみると、なかなかきれいに併殺プレーが完成することはありません。

 

ミスは全体で発生する

 見られるミスは、ショートが捕球をし損ねたりお手玉をするということもありますが、それよりもセカンドが送球を捕れなかったり、ファーストへの送球がそれたり遅かったりということが多いように思えます。

 そして多くは、ミスにならないミスが多いようです。

 たとえばショートのセカンドへの送球(トス)、なかなかセカンドのベース上にはいきません。そしてセカンドが態勢を崩して落球したり、一塁への送球のバランスが悪くて送球がそれたりしています。

 ショートの小さなミスがセカンドのプレーを影響し、ファーストの送球にさらに大きく影響をしていく、そんな姿が見えました。

ではどうすればよいでしょうか?

 

ショートはキャッチボールの基本、セカンドは待つ姿勢

 ショートはゴロの捕球時の姿勢によってセカンドへの送球が難しい場合もありますが、どんなプレーでもキャッチボールが基本になるとゼロベースボールアカデミーの元プロ野球のコーチは指導をしています。

 特にセカンドに近い位置で捕球した後のトスは、セカンドがファーストに送球することを考え、丁寧に送球することが必要です。

 またセカンドも、送球を待つときの姿勢が気になりました。西武ライオンズで守備の名手としてプレーしていた上田浩明コーチは、ショートからの送球を待つ時に、送球がどこに来ても良いような姿勢をしています。

 しかし少年のプレーを見ると、手を前に出していなかったり、ただ手を出しているだけで態勢ができず、少し送球がそれると捕球ミスをしたり、ファーストへの送球の姿勢が悪くなります。

 この姿勢の差に大きな違いがありました。

 

ミットを置いてみたら

 そこで日野茂顧問がミットを置くように指示をしました。

 そうするとどうでしょう。ショートはセカンドのことを思いやり、丁寧なトスをします。そしてセカンドも素手で両手で捕球するために、身体全体で態勢を作っています。ミットを持っているときよりも、スムーズにプレーができていました。

 ミットがあることで自然と雑なプレーになりがちなのかもしれません。お互いが相手のことを思う姿勢こそが、ミットよりも優れたツールになるのです。

 

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

石毛宏典

野球を考える時間を毎日つくる

阪神で大活躍中の高山俊選手は、大学時に監督より、毎日10分間スパイクを磨くように指示をされたという。

記事を読む

野球塾バッティング5

野球塾の生徒が甲子園へ!どんな選手が甲子園に行けるのか

 高校野球秋季大会の関東地区で浦和学院が優勝し、センバツ出場が確実視されている。その浦和学院は明治神

記事を読む

shiba2

人工芝も本物、野球塾の施設

 埼玉県川口市にある小学生、中学生に野球を教える野球塾・ZEROベースボールアカデミーは、室内練習場

記事を読む

板ミット2

少年野球の練習と工夫した練習

 ZEROベースボールアカデミーでは、小学生、中学生の選手を中心に、元プロ野球選手が指導をしています

記事を読む

野球塾キャッチボール2

少年野球選手の肩と肘を守る

 全日本野球協会(http://www.baseballjapan.org/jpn/index.ht

記事を読む

野球塾キャッチボール2

元プロ野球選手のキャッチボールは「キャッチボール」だった

 キャッチボール、というと2人以上でボールを投げ合って、試合前に体や肩を温めたりほぐしたりするものと

記事を読む

新芽

12球団ジュニアトーナメントと侍ジャパン12U代表選手

 12月28日から30日まで、福岡ヤフオクドームにて12球団ジュニアトーナメントが開催される。今年フ

記事を読む

野球塾バッティング3

作り上げるのは一生、失うのは一瞬

これまで多くのアマチュア選手を見てきたが、プロ入り後、すぐに大化けした選手というのはいない。逆にプロ

記事を読む

野球塾指導1

野球の練習で頭を使う事の大切さ

野球塾のZEROベースボールアカデミーでは1日にキャッチボール、守備練習、そして打撃練習を効率よく進

記事を読む

野球塾守備1

内野守備、ボールを中に入れて右、左

Zeroベースボールアカデミーの練習メニューは、ほとんどの場合、まずキャッチボールの後、内野守備の練

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
石毛宏典
大谷翔平選手はメジャーで二刀流で活躍できるか、石毛宏典氏に聞く

いよいよ大谷翔平選手が、メジャーに移籍した。アナハイムエンゼルスで今季

draft_box
この12人はなぜドラフト1位指名されたのか

以前の記事「ドラフト1位候補の12人を石毛宏典氏、日野茂氏とチェック」

石毛宏典
選手は最終的には態度で評価される

プロ野球に限らず、高校野球、大学野球などの選手は、素晴らしいバッティン

石毛宏典
エラーをしてしまったら、エラーをした選手がいたら

野球をしていて、エラーはミスはつきものです。どんな選手でも1回はエラー

石毛宏典
ドラフト1位候補の12人を石毛宏典氏、日野茂氏とチェック

 いよいよ今年のドラフト会議が来週木曜日(10月26日)に開催される。

→もっと見る

PAGE TOP ↑