*

高校球児が増加し初の17万人越え、その背景は?

公開日: : 高校野球

 高校野球連盟は2014年5月末現在の部員数を発表し、昨年より3224人多い170,312人となったことを発表した。1982年の調査開始以降で初めて17万人越えとなった。少子化となっている中でなぜ部員が増加しているのか、その背景を探る。

高校野球部員の推移を読み解く

 プロフェッショナルビュー・ベースボールでは、これまでも高校野球部員数について記事を書いている。まずは過去10年の推移を見てみる。

部員数 加盟校数 1校当たりの
平均部員数
継続率
1年生 2年生 3年生 合計
2005 62,551 53,632 49,110 165,293 4,253 38.9 81.1
2006  61,952 53,793 50,569 166,314 4,242 39.2 81.3
2007  64,117 53,490 50,894 168,501 4,192 40.2 81.4
2008  62,524 55,832 50,942 169,298 4,163 40.7 82.2
2009  61,202 54,984 53,263 169,449 4,132 41.0 83.1
2010  61,935 54,183 52,370 168,488 4,115 40.9 83.8
2011  59,650 55,291 51,984 166,925 4,090 40.8 84.9
2012  61,312 53,678 53,154 168,144 4,071 41.3 85.8
2013  59,570 55,751 51,767 167,088 4,048 41.3 86.8
2014  - -
53,770
170,312 4,030 ※42.3 87.7

「高校野球連盟 部員数統計(硬式) 高校野球連盟HP(http://www.jhbf.or.jp/data/statistical/index_koushiki.html)より」

※2014年の3年生部員数、1校当たりの平均部員数は発表されている数字を元に算出

 

 表を見ると、継続率が年々上昇している。継続率とは1年生だった部員が3年生5月までにどれくらい継続しているかというもので、今年であれば、2012年に入部した61,312人の部員の何パーセントが残っているかという事になる。

 発表では87.7%とされており、これは毎年1%程度上昇している。高野連関係者も「暴力絶滅に取り組んだ成果が表れているのでは」と話すが、部員が辞めないようにする取り組みの効果が大きい。これにより3年生の部員が約2000人増えており、昨年より3224人増加している中の大きな要因となっている。

 2014年の新入部員の数はまだ発表されていないが、2012年にくらべ2013年の新入部員は約1800人減少しているのを見ると、2年生部員は継続率が多少変わってたとしても、2013年の2年生部員よりも約1000人は少ないものとみられる。差し引くと、1年生部員は約2000人以上は増加していると推測できる。

 2011年の新入生の減少は東日本大震災の影響もあり6万人を割ったが、昨年に6万人を割ったのは衝撃的で、やはり少子化やサッカーなど他のスポーツへと流れている事も考えられたが、まだ大体61千人くらいが野球部入部をしており、大きな減少はない。

 継続率の上昇、新入部員数の回復は良い傾向である。

 

加盟校の減少

 ただし、今後はどうなるかは分からない。野球は大きな制約がある。球場施設や道具(消耗品が多い)、さらに9人揃わないとゲーム形式の練習も難しい、といったようなものがあり、学校の負担は小さくない。

 高校野球連盟加盟校はここ10年で200校程度が減っており、野球をできる環境が無くて野球をあきらめてしまう選手も今後増えてくる。

 ちなみに、昨日、鳥取県の夏の大会の組合せが発表されたが、参加校は24校で、神奈川の190校から比べると非常に少ない。

 

 今後は少子化の影響で高校生の数はさらに減る。その中でせめて野球と触れ合える機会を無くさないために、学校に負担のかからない形での取り組みが必要になる。

 グラウンドや道具の共用、練習の工夫、合同練習など、いろいろなアイディアが必要となる。

 

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

Koushien

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライオンズの名遊撃手だった石毛宏典

記事を読む

mound

インコースを投げる投手vs打者の戦いは、日本の野球の将来を左右する

 春季高校野球関東大会では浦和学院が優勝を果たした。優勝の立役者となったのは、左投手の江口奨理投手と

記事を読む

Koushien

高校野球は変われるか?

 高校野球はヒーローを生み出す場にもなる。それは甲子園で優勝した選手だけでなく、懸命にプレーしながら

記事を読む

Koushien

高校野球の監督の情熱

 済美高校の上甲監督が逝去された。1975年から宇和島東高校のコーチになると1977年に監督に就任、

記事を読む

Koushien

意外性を見せたセンバツ出場校の選考

センバツ高校野球大会の出場32校が発表された。選出には意外と感じられる部分も見られた。 意外な選考

記事を読む

バッターボックス

怪物と怪物が出会ったら

 甲子園で2本、3本ホームランを放ったり、140キロ後半の速球で相手をねじ伏せる選手は、高校生の怪物

記事を読む

kyujyou3

高校野球と地域の知名度アップ

高校野球によって知名度の高い地域がある。例えば池田高校の徳島県池田町(現在は三好市)や、新湊旋風の富

記事を読む

Koushien

センバツで躍動するか、期待の大型遊撃手たち

センバツ高校野球大会の組み合わせ抽選が、今週の金曜日に迫った。左腕投手に注目が集まる中で、大型遊撃手

記事を読む

kyujyou1

公立高校の夏は激アツ!?

 夏の高校野球の興味の一つに、公立高校と私立高校の戦いというものがあります。私立高校では県外から選手

記事を読む

日野さん

創志学園・高田萌生投手と、敦賀気比・山崎颯一郎投手を、元プロスカウトが評価

センバツ大会の智弁学園と高松商の大熱戦となった決勝戦から、早いもので1ヶ月が経った。高校野球は各地の

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
石毛宏典
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野さん
日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典
石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

Koushien
石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

ishige2
盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑