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日本野球を開国させてくれたもの

公開日: : 野球の制度

 侍JAPANが動き出している。昨年には小久保裕紀氏が侍JAPANトップチームの監督に専任で就任するとともに、これまで大学日本代表、高校日本代表と各連盟がバラバラに管理をしていた野球日本代表を侍JAPANに統一した。そして今年はその侍JAPANが各大会に出陣する。

 秋には株式会社の設立を目指す侍JAPAN、閉鎖的だった日本の野球をここまで開いてくれたのは、何だったのだろうか。

今年の侍JAPANが出場する大会

 侍JAPANの公式サイトを見ると、侍JAPANの各代表の日程が載っている。各代表チームが世界各地で戦いを行う。

侍JAPAN 出場予定大会 日程
トップチーム 日米野球2014(仮称:日本) 11月12日~20日
21U 第1回 IBAF 21Uワールドカップ 11月7日~16日
社会人 第17回 アジア競技大会(韓国) 9月21日~28日
大学 第27回 ハーレムベースボールウィーク(オランダ) 7月11日~20日
女子 第6回 IBAF 女子ワールドカップ(宮崎) 9月1日~7日
18U 第10回 BFA 18Uアジア選手権(タイ) 9月1日~6日
15U 第2回 IBAF 15U ワールドカップ(メキシコ) 8月1日~10日
12U 第8回 BFA 12Uアジア選手権(フィリピン) 8月27日~31日

 

 これまでもこれらの大会は開催されていたのだが、一般には知られていないものが多い。しかし、このように組織として各世代の代表となることで一体感が生まれ、トップチームのしかもWBCだけが注目されるような状況から、21Uや大学生、女子、15Uといった世代も注目されていくことになる。

 また出場した選手も、キャリアとして追加されることになる。

 

閉鎖的だった日本野球

 日本野球は閉鎖的だった。かつては大学野球が花の時代があり、今では高校野球、プロ野球もそれぞれが盛り上がりを見せている。そうした状況で、お互いに協力したりということはあまりなく、むしろ選手の獲得に関してプロとアマが対立し、選手同士の交流ができないといった状況でもあった。

 また侍JAPANについても昨年の第3回WBCにおいては、現役監督を対象としたものの代表監督が決まらずに、山本浩二氏が監督を務めた。

 

開国した原因

サッカー

 一つはサッカーの影響が大きい。サッカーのW杯は4年に一度開催され、そのたびに日本代表が注目を浴びる。またトップチームを中心に各世代の代表が組織され、統一感を持ってそれぞれが活動をしていた。

 サッカーはアメリカでも意識されており、野球もメジャーリーグを中心に組織されたWBCが開催されるようになった。

 WBCでは第1回大会、第2回大会で世界一となった日本代表だが、第3回大会では決勝進出を逃し、またオリンピックでも2008年の北京でメダル獲得を逃し、その後競技から外されてしまった。プロアマを通じた組織づくりや、世界に野球を普及させる活動が必要で、侍JAPANが組織化された。

 

オリンピック

 次にオリンピックの存在が挙げられる。2008年の北京後に野球とソフトボールは正式競技から外され、それ以降の競技復帰もならなかった。

 そこで国際野球連盟は2011年12月に世界65か国の代表と各国のプロリーグ(MLB:アメリカ,NPB:日本,KBO:韓国、CPBL:台湾)の代表が参加し、WBCを格上げし世界一の大会を決める大会にすることや、IBAFプレミア12の開催、18UのWBCの開催などが決定された。

 またソフトボール協会と統合することも決定し、オリンピック競技に復帰するための組織づくりと、世界的にはマイナースポーツの野球の認知度を上げる活動を行うこととなった。

 

日本人メジャーリーガー

 かつては日本のプロ球団は日本代表に非協力的だった。各チーム何人までというような制限を設けたり、選手を出さないチームもあった。プロ野球として、常にリーグでの勝敗を考え、利益を考えるのは当然ので、選手もプロとしての意見があるのは理解できるが、あまりにも閉鎖的だった。

 しかし最近は徐々にではあるが、代表に積極的になっている。各球団が融通が利くようになってきたのは、日本人メジャーリーガーがメジャーで活躍し、日本の野球関係者の目を世界に向けてくれたことがあると思う。

 最近は毎年のように日本を代表する投手がメジャーに移籍する。これは良い面と悪い面があるものの、世界は確実に近くなった。

 

 

 人口が減る日本において、また世界が近くなった現在において、国内だけを見ていたのでは長くは続かないのは、野球だけでなくあらゆるスポーツ、あらゆる業界の認識だろう。

 侍JAPANの活動は始まったばかり。世界における野球はサッカーにかなりの差をつけられている。侍JAPANの長い闘いが始まる。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

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