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プロ野球のスカウティングは「営業」か「投資」か

公開日: : スカウト活動

 ローソンの社長を務めた新浪氏が10月からサントリーホールディングスの社長に就任する。近年は新卒学生の採用と合わせて中途採用、さらにトップを外部から招へいするといった動きがみられ、人材が流動的になってきた。

 人材の流動性がはっきり見られるのがプロ野球である。その中で今日は、プロ野球の新卒採用、いわゆるスカウティングについて、西武ライオンズで編成やスカウトを経験している日野茂氏に聞いた。

プロ野球の採用と一般企業の採用

 プロ野球が一般の企業の新卒採用と大きく違う点について日野氏は「実績や話題を持っている選手がいること」と話す。

 確かに野球選手に限らずスポーツ選手は、高校、大学の頃にはすでにプロと同じ基準でプレーしている。野球でもプレーのレベルは違えど、球場の大きさやサイズなどはほぼ一緒で、違いは高校生が金属のバットを使っているくらいだろう。その中で実績として数字が残っていく。また球速など能力も数字に置き換えられる。

 そしてもう一つ、プロに入る前には、かなりの話題を持って有名な選手がいること言うこと。高校野球や大学野球で新聞や雑誌に取り上げられ、名前が知れ渡っている選手がいる。

 それらによって12球団や海外の球団が、数億円を出してでも獲得したいような選手が出てくる。一般の企業において新卒学生を数億円で、しかも多くの企業が争って奪い合うということは聞かない。

 日野氏はプロ野球のスカウティングについて、「営業」か「投資」かという軸、「実績」か「将来性」という軸の2つを考えるという。

 

実績か将来性か

 すでに実績も挙げており、プロでも活躍する可能性が高い選手を獲得するのか、それとも実績はなくても能力が高く、育てれば大物になる可能性がある選手を獲得するのか、非常に悩ましい問題である。

 実績型選手のうち、とびぬけた実績を持つ選手は年に1人、2人くらいと人数的には少ない、その中で実績型選手を集めると、ある程度の成績を残せる選手が比較的多くなる。

 逆に将来性選手は大谷翔平投手やダルビッシュ有投手など、びっくりするような選手が出てくるものの、そのような選手を探すのも大変だし、育成に時間もかかれば持っている素質をいかせずに、期待通りに成長しないというリスクもある。

 日野氏はスカウトの立場から行くと、「実績よりも将来性を重視したい」と話した。夢やロマンも入っているだろうが、スカウトとしての自信もそこにある。

 

営業か投資か

 もう一つ考えるのは、プロ野球は人気が重要だということ。全体的には優勝することが目的だが、球団経営にとっては入場者数を増やし収入を上げる事もリンクしてくる。

 その中で話題を持った選手を獲得することは、球団経営にとって小さくはない。球団がスカウトを「営業」と考えるか「投資」と考えるかは重要なファクターになる。

 この点について日野氏は、スカウトの立場としては「投資と考える」と話す。しかし実際に獲得する選手の方針を決めるのは球団の首脳陣である。

 

バランス

 多くの場合は実績のある選手は話題になることが多く、将来性を評価した選手の獲得は投資と考えるだろうから同じ軸とも言える。

 これまでプロ野球で、少なくても3年くらい社会人選手ばかりを集めた球団もなければ、高校生ばかりを集めた球団もない。球団のトップによって多少変動はあるかもしれないが、結局はバランスを考えて獲得する事になっている。

 

 

 人気も考慮するプロ野球のスカウティング、一般企業の採用とは違った難しさがある。

 

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

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