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器用だけど不器用だった「秋山幸二選手」はメジャーを狙えたか?

公開日: : プロ野球

 福岡ソフトバンクの秋山幸二監督、2011年には日本一の監督になったが、選手時代も西武ライオンズで主軸として黄金時代を築いた。

 現役時代は「最もメジャーリーグに近い選手」と言われた名選手は、どんな風に育ったのか。西武ライオンズで2軍のコーチとして秋山選手に指導した日野茂氏に聞いた。

身体能力を認められ

 秋山選手は熊本・八代高校出身、高校3年生の夏は投手として熊本大会決勝まで勝ち上がっている。185cmの大きな体を評価され、1980年にドラフト外で西武に入団した。

 入団するとすぐに監督・コーチの目に留まる。当時監督だった根本陸夫もその素質に注目し、1年目の終盤戦には1軍に昇格させた。1軍でヒットを放ったものの、1軍の守備・内野コーチだった日野茂氏は、「時間がかかる」と思っていた。

 1982年、2軍の守備・走塁コーチとなった日野氏は朝から晩まで、秋山にノックをした。それだけ熱が入っていたのは、それだけ楽しみな選手がいたからだった。

 余談だが、日野氏が2軍のコーチをしていた1982年から1984年と、2軍監督となった1985年から1986年は、まさに黄金時代を作った選手たちが出ている。1980年のドラフト1位・石毛宏典、1981年の秋山、1983年に辻発彦、1985年に清原和博が入団している。

 日野氏は、「サード秋山、ショート石毛、セカンド辻」が活躍する姿を思うと、「自然と力が入った」という。

 

器用だけど不器用な選手

 秋山選手は日野氏が言うには「器用だけど不器用な選手だった」らしい。運動神経は素晴らしく、何をやってもすぐにこなす反面、一度悩むとなかなか抜け出せない選手だった。また性格的にも「喜怒哀楽を表に出さない寡黙な選手」で、妥協もするし熱を込めて練習をするタイプではなかったという。

 それでも当時の西武は1軍に広岡達郎監督が就任し、とにかく練習をさせられた。秋山選手も「サバサバしながらも練習をしていた」。

 2年間をみっちりファームで鍛えられ、1984年に1軍に昇格する。緻密な野球の広岡達郎監督だったが、秋山選手は器用さを見せて、バントも走塁もそつなくこなした。そして、1985年に40本のホームランを打つと、1993年まで9年連続30本塁打を打つ大選手となった。

 

メジャーリーグを狙えたか

 秋山選手というと日本に来る外国人選手の多くが、メジャーリーグでできる選手として名前を挙げていた。それだけの身体能力と実績があった。しかし日野氏は「もっと上を望める選手だった」と話す。成績も身体能力も申し分ないが、「手が大きすぎてスローイングに課題があった」が指摘をしても「それでいい」と思っているようなところがあった。

 また、一度バッティングを崩すと長く悩み続ける点も指摘し、「一時はバスターで打っていた」という。

 

 高い身体能力があり器用だったが、不器用な面もあった秋山選手。
メジャーリーグに挑戦していたらどうだったのか?  その答えは出せない。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

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  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

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