*

トレードはこうやって決まる!現場とフロントの連携

公開日: : プロ野球

 プロ野球では、大型トレードが行われると非常に大きな話題となり、またチームもガラッと変わることがあります。元西武ライオンズでフロントとしても活躍した日野茂氏に、トレードはどのように行われるのかを聞きました。

金村義明選手のトレード

 編成担当としては当たり前の話ですが、やはり他球団の選手をよく見ています。特に、素質がありながらも使われていない選手は、チーム内で首脳陣との相性であったり、指導方法や起用方法で選手とチームとのズレがあるのだということです。

 たとえば金村義明選手、近鉄時代に猛牛打線の主力として活躍しましたが、1995年にFAによって中日に移籍します。しかし中日では同じポジションに外国人選手を補強されるとポジションを奪われていました。

 「まだできるのになぁ」と日野氏は考えていました。

 すると1997年、シーズンが開幕してすぐに東尾修監督が、「右の代打がほしい」と要望を出してきます。そこで日野氏はすかさず中日に打診をします。

 金村選手も出場機会を求めて移籍の希望はあったようで、中日もこのトレードにすぐに応じます。小野和義投手との交換トレードが成立し、金村選手は1997年、1998年のリーグ制覇に、サードとして代打として活躍をしました。

 

デニー友利投手のトレード

 友利結投手は1986年にドラフト1位で大洋に入団しましたが、1996年まで10年在籍してもパッとした結果が出せていませんでした。

 日野氏も友利選手について力のある投手とみていました。しかし、「2つ目まではあるけど3つ目が無い」とストレートの力でファールなどで追い込むことはできるが、最後の決め球が無い投手でもありました。

 1996年、東尾監督は友利選手の投球を目にして日野氏に言います。「友利を獲れないか?」

日野氏も「3つ目の無い投手ですよ?」と話しますが、東尾監督はそれでいい、といいます。

 横浜側に打診をしていましたが、なかなかうんとは言わなかったようです。しかし1996年のシーズン終盤にケガをすると、トレードに応じました。

 西武側からは交換要員として何人かの名前を挙げ、横浜側がその中から1軍未出場の大型スラッガー、長見賢司選手を指名しトレードが成立しました。

 デニー友利投手は西武でリリーフとして活躍し、1997年、1998年の連覇に貢献しました。

 

いろいろな形がある

 1990年代の頃の話で、現在はGM制であったりとフロント主導で編成を行う事も増えたのかもしれません。しかし、フロントは常に他球団の選手の動向を見ており、現場は足りない部分の補強を要望してきます。

 また、交換で出す選手についても、移籍先で活躍できればという思いもあるようです。

 いろいろなタイミングが重なって成立するトレード、選手・監督・フロントの想いが交錯し、そしてトレード後の選手の活躍であったり、チームの浮上であったりと、非常にドラマチックな場面を見せてくれます。

 

 これから、どんなトレードが成立していくのでしょうか? そしてそこに関わる人の想いはどのようなものなのでしょう?

「トレード」もプロ野球を盛り上げる一つの要素だと強く感じます。

 

 (記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

QVC

12球団の開幕前の想定と開幕してから ~パリーグ編~

 プロ野球が開幕して対戦相手が一巡し、自軍のチーム戦力やチーム状態、そして相手の戦力の手応えを感じて

記事を読む

石毛宏典

選手の成長とケガのケアに重点を置いた、工藤監督の福岡ソフトバンク優勝に石毛宏典氏語る

 工藤公康監督が就任して1年目の福岡ソフトバンクがパリーグ優勝を果たした。コーチ未経験での就任1年目

記事を読む

notes

プロ野球の名将のよもやま話、石毛宏典氏、日野茂氏が語る

プロ野球には名将と呼ばれる監督がいる。石毛宏典氏はプロ野球時代に根本陸夫監督、広岡達郎監督、森祇晶監

記事を読む

石毛宏典

かつてのプロ野球選手のトレーニングとは?

今年のオフはダルビッシュ有投手のTwitterにて、トレーニング方法の話が良く聞かれ、大谷翔平投手、

記事を読む

野球キャンプイン

プロ野球の秋季キャンプはなぜ地獄なのか

プロ野球は既に秋季キャンプが始まっている。長いシーズンの戦いを終えたプロ野球選手が、「地獄」と称され

記事を読む

notes

プロ野球の世界で生き残るために必要な事

 プロ野球では12球団の新人選手発表が滞りなく行われ、ほぼすべてのイベントは終了した。そして新人は年

記事を読む

石毛宏典

東北楽天の快進撃と千葉ロッテの低迷を分析する

2017年のパリーグは、5月10日終了時で東北楽天が貯金12をもって首位を走る。逆に千葉ロッテはチー

記事を読む

sendai

松井裕樹投手とコーチの指導

4月23日の東北楽天vs埼玉西武戦、高校からプロに入って4度目の先発となった松井裕樹投手は、この試合

記事を読む

挫折と栄光

今年のルーキー世代は波乱万丈の世代

今年のプロ野球は、特にルーキーの活躍が目立っているように思える。阪神の高山俊選手(ドラフト1位)は、

記事を読む

batter

日本人打者よ、空振りやエラーをしてさらに上を目指せ!

 プロ野球はオールスター出場選手がすべて決定した。投手陣では大谷翔平投手をはじめ、菅野智之投手、則本

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
石毛宏典
石毛宏典氏が源田壮亮選手を絶賛

 社会人から西武ライオンズ入りし、1年目から遊撃手として活躍をした石毛

石毛宏典
東北楽天の快進撃と千葉ロッテの低迷を分析する

2017年のパリーグは、5月10日終了時で東北楽天が貯金12をもって首

石毛宏典
レギュラー争いと選手の成長

プロ野球では、同じポジションに複数の選手がいる。チームの各ポジションで

石毛宏典
今年の西武ライオンズは行ける?石毛宏典氏に聞く

4月18日時点で7勝6敗、3位の位置にいる埼玉西武ライオンズ、辻監督に

バッターボックス
頑張れ女子野球選手!

野球は、見るのも面白いし、プレーするのも面白い!そして男子だって楽しけ

→もっと見る

PAGE TOP ↑