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トリプルプレーのパターンを検証する

公開日: : プレー解説

4月22日の福岡ソフトバンクと北海道日本ハムの試合でトリプルプレーが記録された。またニューヨークヤンキースも4月18日にトリプルプレーが記録されている。ホークスは15年ぶりの記録、ヤンキースは5年で3度目のプレーだと言う。1年に1度出るか無いかのトリプルプレーを検証する。

 

内野手起点のトリプルプレー

ヤンキースのトリプルプレーはオーソドックスなトリプルプレーと言える。条件は、ノーアウトであり、ランナーが1,2塁にいる場面である。そこで、強烈な打球ゴロがサードに飛び、サードが捕球後にサードベースを踏んだ後、2塁に転送、1塁にも転送するというものだった。この場合の条件としては、打球が速く、バッターランナーの足が速くないこととなる。

またこの条件で、ライナーで捕球されるかゴロとなるか、ランナーが進塁するか帰塁するかの判断が難しい場合がある。ライナーで捕球した場合は帰塁をする必要があるが、基本的にライナーは打球が早くランナーがベースからあまり離れていないことが多いためトリプルプレーを取るのは難しい。ただし、盗塁やヒットエンドランなどでランナーが飛び出している時にはライナーでもトリプルプレーを完成させることができる。

このランナーの判断の難しさを利用して、阪神の矢野捕手がバントで上がったフライで、インフィールドフライが宣告されなかったため、わざと落として、トリプルプレーを完成させたこともある。

 

外野手起点のトリプルプレー

 もう一つ、意外と見られるのが外野に打球が飛んだ時のプレーで、この時の条件はまずノーアウトであり、ランナーが2人出ている事。打球が外野に飛ぶが、ライナー性の打球で外野手が取れるか取れないか分らない場合ー、ランナーはハーフウェー(塁間の中間付近)で打球を見て判断をする(ランナーがサードにいるときはタッチアップで待つ事が多い)。

そこで、ダイレクトに捕球をした場合、ランナーは一度帰塁してからタッチアップをする。外野手が強肩の場合、バックホームで2アウト目を捕るが、捕手はタッチプレーになるので、3アウト目は難しい。ただし、もう一人のランナーがバックホームの隙をついて先の塁を狙った時に、捕手が素早く送球してアウトにすることがある。昨日の福岡ソフトバンクのトリプルプレーは、この流れだった。

外野への打球でのトリプルプレーでは、ランナーが1,2塁にいる時に、ヒット性の良い打球が飛んだ時も発生する。そこで外野手がファインプレー的な形で打球をつかむと、ランナーは既に2つ先の塁を回っていたりするため、帰塁が間に合わずにトリプルプレーとなる。

 

ランダウンプレーでのトリプルプレー

野球の走塁は非常に難しい。ランナーが挟まれた時に、その後のランナーが先の塁に進むか、帰塁するかの判断が一瞬遅れ、挟まれているランナーがすぐにタッチされてしまうと、2人とも挟まれてアウトとなることがある。一つフォースアウトをとってからランダウンプレー2つでトリプルプレーを決めることもある。

また、ランダウンプレーで同じベースに二人のランナーが着いてしまった時は、また複雑なルールがある。後ろのランナーの状況によって優先権が変わる。

例えば、ノーアウト満塁で打者が内野ゴロを打ったとする。この時、サードベースの優先権は二塁ランナーとなり、サードベースに三塁ランナーと二塁ランナーが着いた時は、三塁ランナーにタッチをしてアウトになる。

しかし、打者走者や一塁ランナーが先にアウトになっている場合には、優先権は先のランナーとなる。この状況でサードベースに三塁ランナーと二塁ランナーが着いた時は、二塁ランナーがアウトになる。

ルールを勘違いしていたり、前のランナーの状況を把握できないと、ランナーが二人ともアウトになってしまうと言う事もある。

 

野手とランナーも一瞬の判断、そしてその判断のミスで起こるトリプルプレー、ノーアウトでランナーが2人以上いるという、守備側にとっては非常にピンチな場面で発生する。そこで一瞬でピンチを切り抜け、逆に攻撃側は一瞬でチャンスを失う。試合の流れを変えるのに十分なプレーと言える。 

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

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